第71回 コミュニケーション力が会社の未来を創る!!

 師走になり一段と政治も経済も混迷の深まりが増してきているようです。

 政府のトップは本来であれば、総理大臣であるはずが、そうではないような感じを国民も感じているのではないでしょうか。意思決定を先送りにしていては、何も始まりません。

 これは企業経営においても同じではないでしょうか?何もしないと会社は潰れるようにできているのです。

 経済は常に変化しています。とくに恐慌のときは激しく変化します。足元では変化の方向性が大きく変動しますから、乱世の時代と言っても過言ではないでしょう。もし、経営者が変化に対応した行動を取らなければ会社はどんどん漂流していきます。その結果、会社はやがて破綻をしてしまうことも珍しくありません。

 では、経営者はいったい何をすればいいのでしょうか?昨日と今日、同じことを繰り返してもうまくいかないことがある今の時代に、次にこれをやれば必ずうまくいくと保証されたものなどあるはずがないのです。世の中のたいていのことは、事前に正解などわかるはずがないのです。すべては試行錯誤しながらやってみて、手探りで結果的に成功、あるいは正解を手にするというのが普通の人の生き方であり、経営の仕方です。

 今は歴史ブームですが、戦国の武将だってそうです。こう戦えば絶対に勝てるという保証のもとに戦をすることなど、まったくあり得なかったのです。それでも何とか戦って未来を切り開いていったのです。現代の経営者も同じではないでしょうか。ところが正解がわからなければ行動しない経営者が最近は多いように感じます。これでは会社の危機が迫っているのに打つ手を打たなければ会社が潰れてしまいます。

 ただ打つ手を打つといっても、実際に何をすればよいのか。経営者が一人で悩んでいてもなかなかわかるものではありません。未来がはっきり見えないときほど、あるいは状況が複雑であるときほど、社内外の人たちとよくコミュニケーションを取って、情報や意見を交換することが必要です。

 たいていの場合、問題意識を持った人たちがざっくばらんに話し合っていると、ふとした弾みでこうしよう、ああしたほうがよい。という答えが出てくるものです。人は自分が思っていることを口にすると頭が整理されてきますし、逆に他人の話を聞くと自分の頭の中にインスピレーションが湧いてくるのです。問題意識を共有できる人どうしが活発にコミュニケーションを取ることにより、そこに集う人たちのエネルギーが活性化され、これをやってみよう、あれをやってみようという話になり、それを遂行するエネルギーが湧いてくるのです。何をすればよいのかわからないときほど人とよくコミュニケーションを取り、コミュニケーションの中から答えが出てくるのを待つということが実はとても大切なことです。

 中小企業経営者にとって、一番コミュニケーションを取っていただきたい人は「会計事務所の人」なのです。自分の会社の経営課題を掴んでいる会計事務所の人こそ、今の先行きの見えない時代で頼れる存在なのです。





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