第64回 中小企業経営が上手にこなせるリーダーの方程式!!

 京セラの稲盛和夫氏が、自身の著書の中で述べられている考え方に、「人生、仕事の結果は『考え方×熱意×能力』の方程式」があります。人生も経営も、原理原則はシンプルがいいと、本質は実は単純なものと言われます。稲盛氏の方程式はシンプルでわかりやすく誰でも納得できるものです。

 稲盛氏が語られる中で、
「能力」とは知能や運動神経、健康、また両親からの遺伝子、優れた資質を持ってこの世に生を受けたもの、惑いは天から与えられた、最初から大きな資産を授けられたようなものです。


 「熱意」は、「努力」と言い換えることができます。やる気や覇気のまったくない、無気力な人間から、人生や仕事に対して燃えるような情熱を抱き、懸命な努力を重ねる人間まで個人差がありますが、この熱意は自分の意志で決めることができます。多くの中小企業経営者も熱意を発揮し誰にも負けない際限のない努力を続けてきました。「人の数倍努力してやっと人並みだ」と全身全霊を上げ、昼夜を分かたず、仕事に打ちこんできたことと思われます。


 そして、「考え方」がもっとも大切です。自分の苦労を厭わず、「他人に善かれ」と願い、一生懸命に生きていくような「考え方」はプラスの考え方。まともな生き様を否定するような考え方は、マイナスの「考え方」です。そんな「考え方」が自然と、その人の「価値観」になり、「ものの見方・考え方」となっていくものです。その価値観が大事な「生き方・仕事の結果」に出てくるものです。


 人は誰でも「判断ミス、選択ミス」をしてしまいます。価値観の間違いから引き起こされる悲劇です。

 山登りをするには、リーダーの存在が大事です。そして「地図と磁石」も、また必要です。この「地図と磁石」があることで、道に迷った時、戻り方を知ることができるのです。迷っても戻れなかったら生死にかかわる大変なことです。失敗しても帰れるし、失敗しても元に帰れる。

 経営においても、何かトラブルが発生して会社が危うい状況になっても、確実に立ち戻れるのは、よきリーダーが自身の「地図と磁石(=価値観)」を確信している人です。


 中小企業経営のリーダーは、
  会社経営の元のゼロ(=原点)に確実に戻れる。
  失敗してもゼロ(=原点)に立ち帰ることができる。
  ゼロ地点がわかる。そして、再出発が出来るのです。
  元に戻れたことに感謝することができる。
  高い価値観を持っている。
人です。


 中小企業経営のとっての「地図と磁石」は経営者の価値観です。経営に対する考え方・思いといっていいでしょう。厳しい現在の経済・経営環境の中で多くの困難な局面にぶつかった場合に自分の「地図と磁石」を質の高いものにしていってください。

 その際にマネージメントパワーのより自己診断を図っていくのも必要かもしれません。  参考にしてみてください。




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