第59回 中小企業のブレイクスルー・突破口!!

 いかなる企業も、「作る・売る・管理」は経営の必須条件です。「モノづくり」と「売る・サービス」の基本の最重要は価値であり、「商品力」になっています。中小企業経営にとっても、大事なことは自社の商品力を高めていくことなのです。

 その価値は、3つの要素から成っています。その第1は、「品質(性能)」です。自分の会社の商品がいかにうまく動き機能することによって、顧客に喜ばれ、リピーターになり、次々に仕事が発注されることになります。常に、商品のクオリティを高める努力を続けることです。

 第2は「信頼性」です。あの会社の商品だからこそ、安心して使い続け、買ってくれるという考えを、お客様は持っています。会社のビフォー・アフターの対応によって無形の財産である「安心感」「信頼性」が醸成されるのです。

 第3は「価格」です。いくら「品質」が良くても「信頼性」のおけるものであっても、価格が他社よりも飛び抜けて高かったら、いずれお客様は離れてしまいます。また、「安ければ」いいものでもありません。ボランティアではないのです。お客様にとって満足を覚える適正な価格であることが重要です。

 このように、商品の「価値」は、「品質・信頼性・価格」という「3つの軸」を中心として動いていくのものなのです。

 そこで大事なものは、第4の価値である「感性価値」という新しい概念があります。お客様の感性に働きかけて、お客様の共感に感動を得ることで顕在化する新しい価値です。時代が変わり、人との交流が薄れてきている今、お客様は孤独感にさいなまれています。そこで、マーケティングが大事なのです。会社が良くなるためにモチベーション等々、「ひとのこだわり」「顧客満足」となり、「更に話題と好評」を仕掛けて「ONE TO ONEの関係」を構築していくことです。

 そして第5の価値はブレークスルー(突破口)であり、生命力、商品力の創造です。これには「2つ」あります。1つは「ひと」の出会いがあります。東京銀座の木村屋のマーケティングは非常に参考になります。銀座の木村屋の「桜あんぱん」は、もし明治天皇への、献上が無かったなら、誕生しなかったかもしれません。その実現は幕末・明治時代に活躍された山岡鉄舟との出会いによってもたらされました。山岡鉄舟は、剣と禅の達人として知られ明治天皇の待従をされており、「木村屋」の「あんぱん」を「好物にしていた」のです。

 明治7年の「来店された時」、明治天皇に「あんぱん」をと、お願いして、実現されたのです。木村屋の「あんぱん」は、陛下への献上の成功で東京中で話題となり、店にお客が殺到して大繁盛となり、木村屋の「あんぱん」は銀座名物となり、大評判となりました。「ひと」と「ひと」との出会いは大事なことです。

 2つは、広告宣伝は重要な戦略になったのです。広告は自己宣伝です。「話題」と「好評」は、他人による口コミなので、信憑性が高く、宣伝効果は抜群です。木村屋の発展は、話題性に富む戦略によることが大きかったのです。

 木村屋の「桜あんぱん」のように、130年以上もの長期間にわたって、「突破口商品」であり続けた「商品」は、特有な存在です。「ひと」と「ひと」の出会いが生み出す「ブレークスルー・突破口」。このように商品は多くの「ひと」との出会いで、「商品力」を持っていくのです。

 今や中小企業をとりまく経営環境は大変きびしい時代になりました。独自性をもった企業でなければこの荒波を乗り越えていくことは困難な時代になりました。何か特徴を持つことが重要かと思います。「木村屋のマーケティング」は中小企業経営にとって力を与えてくれます。

 中小企業の新規拡大、固定収入の確立は、人が、「ひと」と「ひと」の出会いを生かし、生み出すことです。「ブレークスルー・突破口」を実現するという思いを経営者が持っていくことが重要です。

 そのためにも、社長である自分の経営力を高めていく必要があります。どうしたら経営力が高まるかを「マネージメントパワー」の実施を通じて気づいていただければ幸いです。





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