第55回 事業承継に有効な力となる「決算診断」!!

 経営者の高齢化は進展しており、小企業の事業承継の重要性が高まっています。国民生活金融公庫が取引先の中で、経営者が50歳以上の小企業に対して、●承継決定企業 ●承継未定企業 ●廃業予定企業の3つの分類でアンケート調査を行いました。

●承継決定企業・・・ 後継者が決まっており、後継者も承諾している企業で全体の38.6%を占める。

●承継未定企業・・・ 後継者の候補はいるがまだ未定であり、今はいないが事業の承継をあきらめていない企業で全体の33%を占める。

●廃業予定企業・・・ 自分の代で事業をやめる企業で、全体の24.6%を占める。

  (国民生活公庫 調査月報7月号参照)


 従来、小企業の事業承継といえば親族、とりわけ男の子どもへの承継が、ほぼ主流であったと思います。しかし、近年は経営者に求められる力量が高度化しており、子供だからといって後継者としてふさわしいとは限らなくなってきました。国の政策で税制面での問題は改善されましたが、景気の先行きが見えない混沌とした経済・経営環境の中で、親族に承継したいとこだわっていては生き残るのは困難であるとの危機感の表れであると思います。こうした背景に、社員への親族外承継が、次第にクローズアップされてきています。

 また、老舗企業の廃業や倒産が増えてきました。時代環境に適応できなかったのが原因かと思います。企業の継続が人の継続によって実現出来るものです。時代環境にあった人の継続が出来なかったのが廃業や倒産へ至ったのではと思います。現在50代の経営者にはこの3つの事業承継分類の重要性をよく考えていってほしいと思います。


 企業の継続の証は、決算を毎年迎えることが出来ることです。その決算書の中に、継続出来てきた要因の全てが表れています。貸借対照表は企業の歴史を示しています。現在の財産状態は長年の経営活動の結果です。未来永劫に企業が継続していくためには、今の企業の強み・弱みを的確に把握して、何が我が社の経営課題なのを明確にし、その改善策を立て実行していくことが何より必要です。経営サイクルであるP→D→C→Aを毎年、着実に実行していくことです。その出発点が決算であり終点なのです。経営者が決算書を読み取る力(=会計力)を身に付けていくことが重要です。その手助けになるので「決算診断」です。何回も何回も繰り返し「決算診断」の内容を学習してください。後継者候補の方にもこの「決算診断」を理解させることにより事業承継が成功への道を切り開いてください。また、マネージメントパワーも後継者候補にも実施させることにより、現在の経営力で優れた点、劣っている点が把握でき後継者となるために何をしていったらよいかが明確化されます。





Produced By
「決算診断」プロス
株式会社プロス