欧米では、経営者にとって「簿記」は経営の基本学習になっており、経営者は簿記をよく知っているのです。しかし、日本の経営者をみてみると、以下のような事例がありました。 ある地方の税務相談会で、法人の代表者が会計ソフトを使って作成した決算書類を持参して、チェックと申告書の作成方法を教えてほしいと相談員へ依頼をされたことがあった。その相談員の話ですが、決算書類を見てみると、驚いたことに現金がマイナス、貸借が一致しておらず、決算書は所得税の一般決算書でした。 相談員はソフトを使っているのに貸借が合っていない事に驚き、さらに現金がマイナスになってしまっている事に驚いたとの感想を述べています。これは会計の知識が乏しいレベルで行なう会計ソフトへのデータ入力が、単なる数字合わせになってしまっている事を如実に物語っています。 国の政策で法人の設立が簡単になったことも一つの要因かもしれません。手続きが簡単になれば自分で会社づくりもできて小さい会社が増えます。会計事務所に頼まなくても会計ソフトがあれば、万能だからすべて正しく処理をしてくれるとの錯覚をもたれる経営者がいるのです。上記のような事例が今後、どんどん増えてくるのではないかと思います。いくら会計ソフトが高性能であっても、最低限の知識がなければ正しい計算はできないのです。 この数年でのIT技術の進化は目覚しいものがあります。IT技術が進むことによって、試算表や決算書が出来ても、その結果を生み出す、簿記による大事な「仕訳」が分からない。交通費や通信費といった一般的な勘定科目は理解できても、P/LとB/Sの勘定科目の仕訳は難解なことも多いため、会計を読み取る力が必要になってきます。 会計力を身につける最適なものが、「決算診断」です。決算書のデータを分析・評価・診断して会社の強み・弱みを把握できるのです。その中心が6要素診断です。解説に毎回、掲載しておりますが、6要素診断とは
決算診断の基本である6要素診断をよく理解することにより、経営者の会計力の向上は図れます。もう一度、決算診断の6要素解説をじっくりと読まれてみてください。
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