第51回 業績低迷の悪循環を断ち切り上昇に転じる好循環を起こすには

 現在、中小企業の大半は、赤字に低迷していると言っても過言ではないでしょう。

 日本経済は、バブル崩壊以降の不況から脱却したなどと政府は言っていますが、息を吹き返したのは一部の大企業だけなのです。また、今後の石油の高騰、円高、株価の低迷が続きそうで経済の先行きは不透明な状態です。今、景気のいい大企業だって数ヵ月後には経営難に陥るかもしれません。まさに、一寸先は闇。経営者にとって辛い時代が続くことは確実です。

 経営者のなかには、業績低迷の原因を時代の変化のせいにする方がいます。IT化が進んで社会のシステムが変わり、以前から行ってきた商売が成り立たなくなっています。それと同時に経済はグローバル化され、世界を相手に競争しなければならなくなった。との話をよく聞きます。しかし、ぼやいているだけでは現状は変えられません。たとえ嫌でも時代に適合し、その土俵の上で戦って勝つしか会社は守れないのです。

 赤字の低迷する半数以上の会社は、時代の変わり目の何かがきっかけで悪循環に陥ったと言えます。その負のスパイラルをとにかく止めることが先決です。そのためにも、経営者には的確な判断・勇気・行動が必要なのです。

 企業経営のあるべき姿を現す言葉に「PDCAサイクル(経営サイクル)」があります。

 これは

PLAN(計画) → DO(実行) → CHECK(評価) → ACTION(改善)

の頭文字を並べたものです。

 この4つを繰り返すことで企業の健全な経営が保たれるという意味です。

 難しい言葉を使わなくても、同じことはやっているといわれる方もいるかもしれません。確かに事業経営を行う以上、「 計画 」を立てて、ものを作ったり営業をしたりという「 実行 」をします。売上が思った通りに上がらなかった時に、どうしようと考えるのは「 評価 」であり、売り方を変えたりするのは「 改善 」と言えます。

 しかし、業績が低迷している会社は、この「 PDCAサイクル 」がしっかり行われていないことが多いのです。

 特に、CHECK(評価)をきちんとしていかないと適切なACTION(改善)が図れません。自社の強み・弱みをしっかり把握した上でのACTION(改善)が行われないといくら頑張っても効果が出ないことが多いのです。

 中小企業にとって、決算診断が、このCHECK(評価)に該当します。

 一年間の経営活動の成果を如実に物語っているのが決算書で、その分析・評価が決算診断です。業績低迷の悪循環を断ち切り、上昇に転じる好循環を起こしていくためにも、今一度、自分の会社の決算診断を行って、的確なCHECK(評価)を行ってみてください。





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