第50回 中小企業経営にとっての危機管理とは

 企業経営には、3つの坂があるといわれています。“上り坂”、“下り坂”、そして、“まさか”の坂です。この“まさか”の管理をするのが危機管理(リスクマネジメント)です。

 企業は、つぶれるようにできているものです。常に倒産リスクと背中合わせに経営をしています。現代は、景気回復で倒産件数が最悪の状態と脱したといわれていますが、毎年約1万4千件から5千件の倒産、月に換算すると1200件、一日あたりですと約40件、時間換算ですと2件弱の会社の倒産があります。これらの数値は、負債総額1千万円以上のデータに表れている倒産件数で、データに載らない中小零細企業の倒産は、この数倍あるといわれています。

 正に企業は、倒産するように出来ているといっても過言ではないでしょう。ここで、倒産する企業には、多くの以下の共通の兆候があります。

(1) 売上が3期連続してダウンして、赤字決算が続いている?
(2) 労働分配率が毎年高くなり、60%を超えることも珍しくない?
(3) 商品在庫、売上債権が毎年増え続けている?
(4) 銀行借入が月商の3ヶ月分を超えて、資金繰りが厳しくなっている?
(5) 顧客や出入り業者が離れていくようになってきた?
(6) 社員、とくに人材といわれる幹部がモラルダウンして退職者が続出している?

等々です。このような兆候はありませんでしょうか?

 これらの兆候は、毎年の決算書を分析・評価・診断していれば容易に把握できるのです。

 決算書を読み取る能力 = 会計力 を社長が身につけることが出来れば、早めな対策を講じることができるのです。

 以下に掲げる3項目は、完全に理解するようにしてみてください。

第一は、「粗利益」です。
  「付加価値」「限界利益」ともいわれます。会社にとって粗利益は、経営の基本です。お客様から支持されているバロメータといってよい重要な項目です。

第二は、「経営安全率」です。
  不況に耐えうる力(売上の余裕度)を示しています。粗利益を高めるには変動費を下げること。コストダウンを図っていくことです。

第三は、「自己資本比率」です。
  中小企業にとっては40%の数値が目標です。利益を出すこと。総資産の圧縮によりスリムな体質を目指します。目標を持って自己資本比率を高めていく考えが大事です。

 「決算診断提案書」には、上記の大切な項目プラス今後の経営改善を図って行く上で、重要な項目が数多くあります。会社を強くするには、社長の会計力を高めることが大切です。

 是非、決算書の見方・活かし方がわかる、「決算診断提案書」の内容を再度、確認してみてください。





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