第49回 経営の3要素「つくる」、「売る」、「管理する」で
大事なのは「管理する」!!

 経営の3要素とは「つくる」、「売る」、「管理する」です。「つくる」とは、経営資源のことです。製造業なら文字通りものづくり、サービス業であれば、そのスキルやノウハウ等を指します。「売る」は、商行為。つくったものを売り、お金をいただくことです。「管理する」とは、「つくったり」、「売ったり」することをまとめあげること、人材や品質やお金を含めた管理活動といえます。

 この3つのうち、経営者は「つくる」と「売る」には、力を注ぐけれども、「管理する」を軽視しがちです。

 いい商品をつくるのは楽しいことであり、熱もこもります。商品が売れ、対価をいただく「売る」行為も大きな喜びがあります。これには、成果がわりとはっきり目に見えるからです。それに比べると「管理する」は地味。見えにくいため、経営者にとって面倒くさく、あまり考えたくない部分です。しかし、会社の経営を安定させ、危機を招くことなく着実に成長させるには、一番大事なのは管理なのです。

 最近は、日常茶飯事のごとくニュースや新聞等に報道されている食品会社の消費期限や賞味期限の偽装が後を絶ちません。どの会社も全国的に名が知られている有名企業です。魅力的商品をつくっていたので、多くのファンがつき、売れ行きも好調だったのです。それなのに、不祥事を起こしてしてしまった。最大の原因は経営者の倫理感欠如ですが、管理をおろそかにしたのも大きいと思います。

 品質管理は言うにおよばず、経理にも問題があったはずです。経理がしっかり機能していれば売れ残りは最小限に抑えられ、大量の不良在庫を抱えることはなかったでしょう。であれば、「もったいないから」といってラベルの張り替えを行う気にもならなかったでしょう。また、人材管理。不祥事の多くが内部告発をきっかけに発覚しています。勿論、会社が不正を働いていれば正義感にかられた社員が告発するのは当然のことです。しかし、適切な人材管理が行われ、不満のない職場であれば、告発する気にはならなかったはずです。

 こうした管理を怠ったばかりに、企業にとって何よりも大切な信用を一瞬のうちに失ってしまったのです。

 自分の会社が絶対にこうならないという保証はありません。ですから、年最低一回、決算時に会社の現状分析・評価・診断の「決算診断」と経営者の経営力の点検である「マネージメント・パワー」を行って会社の経営改善を実行していってください。





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