第41回 会社の舵取りに必要な「リーダーシップ」と「マネジメント」

 会社を動かす原動力は、経営者の「リーダーシップ」と「マネジメント」の二つであることは、言うまでもありません。

 この二つの原動力がどういう意味を持っているかを、再確認してみましょう。

 「リーダーシップ」とは、経営をするうえで何が正しいかを決めることです。「マネジメント」は、その決断を正しく実行していくことです。

 ところが、現在の日本では、この二つが非常に難しいものになっているのです。

 少子高齢化が進み、社会に活力が失われつつあります。経済はグローバル化し、アジア諸国をはじめ世界各国が勃興して、競争が一段と激しさを増してきました。昭和の時代と同様の経済成長を続けることは、夢のまた夢の状態になってきました。

 過去の良き時代のように、店先にものを並べておけば売れるということはなくなりました。大量生産、大量消費という生産者中心の発想も通用しなくなりました。どのようなものを提供すれば、お客様の役に立てるかを真剣に考えていかないと、ビジネスは成り立たなくなっています。

 経営環境も大きく変わってきています。現在のように人の流れが激しい時代では、会社の中で熟練の技が育っていきません。また、経営者が、こういうものを売り、会社をこのように成長させていけるとひらめいても、社員がそれに対応できず、リーダーシップによる決断どおりにならないことが多いのです。

 個人の価値観が多様化し、マネジメントも難しくなってきています。難しさのあまり、会社の経営もルール偏重の傾向が見られます。

 ルールを作り、守らせ、管理をすればうまくいくとの安易な考えが横行しています。しかし、そのことが、逆に会社の創造性を損ねたり、行動の鈍さを招いています。

 経営者の皆様もクルマの運転をされると思います。クルマを使う時はどこに行くのか、といった行き先をである目的地を決めることが重要です。このことが「リーダーシップ」に相当します。目的地が決まったら、クルマの運転がスタートします。キーをまわしてエンジンをかけ、

 アクセルやブレーキを踏んだり、しっかりハンドルを握って、運転することが「マネジメント」に相当します。

 高度成長期の昭和の時代は、経営の道のりも比較的平坦でした。同じ方向に向って、クルマを走らせていけば、目的地まで到達することができたのです。

 ところが、現在はそういうわけにはいきません。険しい悪路を走っていかなくてはなりません。人々の価値観が多様化になり、グローバル化による競争激化といった多くの山並みを越えていかなくてはならないのです。

 決めた目的地にきちんと到着地できるために、経営者のリーダーシップとマネジメントを磨いていただきたいと思います。

 その際に、毎回、ご案内している「決算診断」と「マネージメント・パワー」の内容を再確認していただければ幸いです。





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