第37回 成功する経営者には「自問する力」がある

 前回、ご案内しました“社長自身の「経営力」を知る”は、いかがでしたでしょうか?

 経営力を知る8つの要素である

 (1)「社長自身」
 (2)「顧客(マーケティング)」
 (3)「商品(サービス)」
 (4)「人  材」
 (5)「成 長 性」
 (6)「財  務」
 (7)「経営管理」
 (8)「危機管理」


を自己診断された結果は、いかがでしたでしょうか?

 自分の強み・弱みが把握できたでしょうか?

 会社にとって、最大の商品は社長です。

 昔から「会社は経営者の器以上には大きくならない」と言われます。

 会社を成長させていくためには、常に社長自身も自己研鑽を積まれていくことが必要です。

 会社法が大きく変わった現在、経営者に対する社会の要求水準は高まっています。会社の経営状態を利害関係者へ説明する責任を負っていかなくてはなりません。そのためにも、決算書を読み取り、経営に活かしていく計数能力が必要です。

 会社の経営状態を一番表しているのが“決算書”です。

 会社の舵取りをされている社長が、会社の経営状態を分からずにいることは、大海原の中で羅針盤を見ずに航海しているようなものです。

 是非、このコラムを参考に、決算書に対する認識を高めていってください。

 また、今まで抱いていた決算書に対する考えを変えていってください。

 多くの経営者が従前までに抱いていた決算書に対する考えは、以下のようではなかったでしょうか?

 「 貸借対照表で、何がわかるんだ?
結局、あれにはどんな意味があるというのか?
決算書ができたときは2ヶ月も経過していて、2ヶ月前の預金残や売掛金残や借入金残を説明されたって、どうすればいいって言うの?」

営業利益というのは、営業して儲けた利益のことだろう。
どうして、設備投資した時の借入金の金利は反映されないで、
その下に書かれているのだろう?」

貸借対照表に書かれている、借入金は一見多いけど、
社長である自分が会社に入れた金だから、銀行からの借入金とは違うよね。
無借金経営といってもいいよね。
それなのに、負債が多いとか、内部蓄積が薄いとか言われるのが分からない。」

損益計算書には利益が上がっているというけど、借金が増えて、手元に金がない。
なんでだろう?決算書が間違っているんじゃないかな?」

 ここに掲げたものは、経営者である社長がよく思われてきたことではないでしょうか?

 これらの責任は、会計事務所や経理担当者達の専門家にあるのかもしれません?

 「 金利は会計上、営業外費用ですから、経常利益に反映して・・・・」
 
利益は発生主義で計上していて、資金の流れとは異なっていまして・・」
  などなど

 専門家にとって当たり前の言葉かもしれませんが、専門用語によっての回答は疑問の解消にはなりません。ですから、決算書を見るのは面倒くさいと長年の経験から感じているせいかもしれません。これらの「会計的・税法的」な解釈よりも「経営的・資金的」な解釈を知りたいと願っていると思います。

 経営者である社長は「決算書は自分のためにつくっている」という認識に立って、自分の会社の決算書から、「今までの経営のやり方でいいのだろうか?」、「今の経営課題は何なのか?」など、決算書を「自問する力」を身につけていってください。





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