第31回 数字に弱い経営者はいない

 売上を上げ、利益を出し続けなければ会社は存続できません。
 問題は、どのように売上・利益を考えているかということです。
 売上や利益の対する考え方は、個々の社長の経営に対する姿勢によって大きく違ってきます。
 売上・利益については、三つの考え方があります。

  1.目標経常利益達成のための売上高
  2.赤字を出さないための売上高
  3.資金不足を生じないための売上高


 1と2は、損益を考えた売上高に対する考え方で、3は資金繰りを考えた売上高に対する考え方です。
 どう選ぶかは社長の意思決定にかかってきますが、是非、確認していただきたいことは

当社の存続にとって

必要な売上高は ○○○万円(年商または月商)だ

と社長が一年365日、念頭に置く数字を持っているかどうか?

 そして、その数字が社長の決定した目標経常利益がベースの売上高か損益分岐点の売上高なのか、あるいは収支分岐点の売上高の数字なのかを常に確認をしていってほしいのです。

 「おれは数字に弱い」と思っている社長は少なくありませんが、経営者である以上、数字に弱い社長などいないのです。
 社長が弱いと思っている数字は、経理と置き換えてもよいでしょう。数字にこだわらない社長はいないと思います。
 社長がこだわっている数字は何でしょうか? 日々の経営活動の中で一番気にしている数字ではないでしょうか?

 たとえば、住宅販売会社の社長が一番気にしている数字はなんだと思いますか?
 それは「契約件数(受注件数)」です。

 中古ゲームソフト会社の社長が気にしている数字は?
 それは「仕入れ本数」です。

 では、通販会社の社長は?
 それは「登録人数」です。

 このように、現実の経営活動の中で、業界によって一番気にする数字は大きく異なります。 それは業界数字の単位です。
 多くの社長は自分の会社の属する業界数字を基本に行動をしていきます。その数字が社長にとって一番しっくりくる数字なのです。

 社長が一番しっくりくる数字をもとに決算書を見ていくことが「経営者的」決算の見方に繋がります。
 「決算診断」の考えは経営者的決算の視点から考えています。
 社長が必要である売上高を一番しっくりくる業界数字から絞りこんでいくと、会社存続の売上・利益が現実味を持ち、日々の経営活動の中で有益なものになってきます。

 是非、決算診断の解説を参考に経営者的決算の視点から自分の会社を成長させていってください。





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