第25回 「銀行」は社長の会社をどう見ているか?

 前回、「決算書」の解説である「決算診断」を何故、わかっていただきたいのかの本当の理由を述べました。
 今回は「銀行」がどう企業を見ているかについて解説をしていきます。

 銀行が企業との取引を検討する際に、二つの視点から見ていきます。

 「定性的情報」「定量的情報」です。

「定性的情報」とは
企業の経営陣、株主、従業員、企業の沿革や
現在の状況(取引先等々)の情報です。

「定量的情報」とは
財務諸表や管理会計資料による分析情報です。

 銀行は、これら二つの情報に対する評価と分析を行うことで取引企業の信用状況を判断し、取引条件を検討して、決定していきます。

 では銀行が「定性的情報」と「定量的情報」をどのような割合で評価・判断するかといいますと、基本的には「定量的情報」を基本にし、「定性的情報」は補完的に確認等を図っているのが実情かと思われます。

 基本である「定量的情報」分析はどのような内容かといいますと、

 ●損益分岐点分析 ・・・ 固定費・変動費からみる企業の経営安全率等の分析
 ●付加価値分析 ・・・ 労働分配率、設備投資が付加価値を上げるための貢献はどうかについての分析
 ●キャッシュフロー分析 ・・・ 資金運用表等による分析

の分析からしていきます。

(1) 超 優 良 A
(2) 超 優 良 B
(3) 良  好
(4) 正 常 先
(5) 一般水準
(6) 水準見劣り A
(7) 水準見劣り B
(8) 要注意先
(9) 破綻懸念先
(10) 実質破綻先・破綻先
中心は「決算書」からの分析により評価をしているのが実情です。
決算の分析とは、いままで解説をしてきました「決算診断」の内容そのものなのです。
その分析・評価により銀行は取引先企業を右のように格付け分類をしています。
(※注:各金融機関によって分析・評価・分類は違います)


 これらの評価・分類によって、貸出金利が1%〜5%まで大きく違ってきます。
 勿論、(9)・(10)の評価をされた企業には銀行は融資をしてはくれません。
 そうなっては手遅れです。
 常に、自分の会社の「決算書」を分析・評価・診断する「決算診断」を行って、銀行から評価される前に自分の会社の課題等を把握して改善策を顧問会計事務所と相談をしてください。





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