第23回 決算書を経営に活かす
― これを改善すれば会社がよくなる3つのポイント

 今回は経営者にとって、決算書から現状を把握して経営改善に役立てていくための知っていてほしい重要な3ポイントについて述べます。


1.先ず、今の売上が何%落ち込むと損益がトントンになるのかを
  知っておくことは大変重要です。


  そのためには、

経営安全率 売上高−(注)損益分岐点売上高 ×100
売上高 (%)

      (注) 損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 付加価値率
      (注)固定費とは、
            売上の増減に関係なく固定的に発生する費用で、
            人件費・減価償却費・金利等により構成されています。

      (注)付加価値率 = 付加価値÷売上高

  を抑えておきましょう。

 この経営安全率
 ・高いほど、余裕があり、安全で倒産しずらい体質です。
 ・中堅中小企業の調査データによると
    優良企業  = 18% ・・・・・ 合格点
    黒字企業平均=  8% ・・・・・ 達成目標

    赤字企業平均= △7%
  が目安の数字になります。

 「8%」以下の企業は「これから」企業
 「マイナス」の企業は「緊急手術」企業といえるでしょう。



2.次に会社にとって返さなくてよいお金の比率を知っておくことは、
  安心して経営の舵取りをしていく上で大変重要です。


  そのためには、

自己資本比率 自己資本 ×100
総資本 (%)

  を抑えておきましょう。

 この自己資本比率は
 ・経営安全率と同じく、高いほど余裕があり。
  安全で倒産しずらい体質といえましょう
 ・中堅中小企業の調査データによると
    優良企業  = 53% ・・・・・ 合格点
    黒字企業平均= 27% ・・・・・ 達成目標

    赤字企業平均= △4%
  が目安の数字になります。

  「10%」以下の企業は「これから」企業
  「マイナス」の企業は「緊急手術」企業といえるでしょう。



3. また、キャッシュフローの状態を知っておくことも資金改善を図る上で大変重要なことです。

 そのために営業キャッシュフォローと上積みキャッシュ高の状態から以下のことを抑えてください。

営業CF
上積みC
プラス マイナス
プラス 合 格 本業の資金繰りを借入れや資産の売却で補っていて、根本的な治療が必要
マイナス 本業ではお金が残っているが、投資や銀行返済のバランスを欠いている 緊急手術

 以上の3ポイントを自分の会社の決算書から分析して、どのような状態かを把握して、今後の経営に活かしてください。





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