第22回 会社の企業体質を変換していく

 決算からより自社の「攻める力」と「守る力」を確認して、現状の課題を知ることができる。
 会社経営者はこの課題を踏まえて、赤字企業であれば黒字に転換するためにどのような方針で進んでいったらよいか、業績好調な会社であれば将来のリスクを考えて、いかに企業体質を強固にしていくかを考えていくことは大変重要です。


・赤字企業が黒字企業へ脱却を図る
 決算診断により現在の赤字の原因並びに課題は把握しています。
 赤字体質から脱却するためには、以下の対策の組み合わせによる企業体質の転換をしていかなくてはなりません。

1)何より「売上を増やす」
 売上を増やすためには、自社の商品、営業構造等を見直していくことは言うまでもありません。
 先ず、優先的に考えていく内容です。

2)仕入・外注等の「変動費を減らす」
 仕入れする仕方はどうか、外注・材料費等はどうかについて検討して、コストダウンを図って変動費率をいかに減少させていくかを考えていく。

3)販売・管理費等の「固定費を減らす」
 販売・管理費等の固定費は経営者は思っている以上にムリ・ムダの宝庫です。
 これらの固定費の中味(接待費、通信交通費等)を今一度見直すことにより思わぬ利益を生み出すこともできます。


 実際は、1)〜3)の対策を以下の組み合わせにより考えて、最終的に経営者の「ここまではできる」「ここまではできない」等の意思決定により実行していきます。


売上・変動費・固定費のマトリックス表
 1)売上
減少の場合

(売上減少、利益が減少)
横ばいの場合
増加の場合

(売上増加、利益が増加)

 2)変動費
減少の場合

(変動費減少、利益が増加)
横ばいの場合
増加の場合

(変動費増加、利益が減少)

 3)固定費
減少の場合

(固定費減少、利益が増加)
横ばいの場合
増加の場合

(固定費増加、利益が減少)


 また、現在黒字企業ではあるが、赤字企業へ転落していかないためのリスク管理を図っていく必要もあります。

1)売上が減る
2)変動費(仕入・外注)が増える
3)固定費は増える

の3つの組み合わせから、売上がここまで減少してもやっていける、変動費率の黒字での上限幅はどうか、固定費のアップ率はどうか等を知ることにより、早め早めの対策を講じていく危機管理の徹底した会社経営が実現できます。

 常に経営者として、自社の経営状態を経営の共通言語での数字で理解していく習慣を身に付けていってください。





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