第20回 プロの経営者を目指す

 前回にご案内しました「経営者の経営力を見る8つの要素」
1)経営者自身 2)商品 3)仕入 4)販売 5)人材 6)財務 7)経営管理 8)危機管理、についての自己評価はいかがでしたでしょうか?

 しかし、会社経営をしている方なら誰でも骨身にしみていることでしょうが、会社の経営力は経営者で決まります。

 経営者の物の見方・考え方・行動が、会社のすべてを支配するのです。経営者の仕事は大きくは以下の7つだと考えることができます。


1.これから、わが社をどのような会社にしていくか
このことは、経営者にしか考えられません。
役員である専務や常務、あるいは部長に今後5年後の自社の経営計画を策定しろと言っても、将来展望のビジョンなしに策定できるわけがありません。

自分がリスクを背負っている「自分の会社」であれば、3年後、5年後、10年後にこのような会社にする。という夢が当然あるはずです。
その夢をいかに社員に伝えていくか、社員の協力を得てしくためには、将来に全員が頑張っていける夢を語っていくことが重要です。


2.方向性を示す
戦力をつくる夢を現実にまで結びつけるためには、多くの行うべき課題等があります。それらの課題等を如何にクリアーしていくかは、その優先順をつけて、どのような内容で、どのように解決していくかを決めていくのも経営者にとって重要な仕事です。


3.他社との違い・差別化・一番商品を考え続ける
他社と同じことをやっていても、会社の存在価値はありませんから、これが最も重要なことです。

「企業というものは、潰れるようにできている」とよく言われます。ですから、「もしかしたら倒産するかもしれない」という危機感を強く持ち、企業の独自性をつくるために他社との違い、一番商品・一番技術サービスを追及する ことが大変、大切です。これを考え続けることが、経営者の仕事です。


4.考える・考えさせる
自ら「やる」と他人から「やらされる」とで天と地ほどの違いがあります。「よく見、よく聞き、よく考える」・・ここに実践があり、成果と付加価値が創造できるのです。

自発的に行動する社員は一生懸命さがあります。教えることが教育ではありません。社員一人ひとりが考えるような環境をつくっていく。これが経営者の仕事です。


5.後始末をする
たとえばクレームです。クレームを出すお客様のエネルギーは高いので、対応次第では固定客・上得意客になる可能性は大きいです。

クレームへの対応・尻拭いは、経営者が実行するのが最良です。


6.意思決定
会社の全てのことをについて、最終的に責任を負うのは経営者です。何かあった場合、誰も他の人は責任をとってくれません。
ですから、経営者は、経営上のあらゆることに関して最終的な意思決定をしなくてはなりません。部下に「任せた」としても、「任せる」という意思決定をし、その結果について全責任を負うのが経営者の仕事です。


7.資金繰りをきちんと行う
厳しい環境の時に重要な仕事が「資金繰り」です。
これは社員には任せられません。
給料や外注・仕入れ先への支払いを遅らせないよう、資金ショートが起こらないよう、経営者は細心の注意を払ってリスク回避をしていかなくてはなりません。


 以上が、経営者がしていかなくてはならない仕事です。
 ご自分の日々の行動と照らし合わせてみて、出来ていない事項は改善を図っていってください。


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