引き続き、6要素から自社の経営改善をするための課題について、説明をしていきます。今回は安定性です。 会社の「安定性」を見る 「安定性」によって、バランスのとれた経営が行われているかどうか、さらに会社を取り巻く経営環境の変化に耐えることのできる力がどれだけあるかの判定をできます。 急成長したベンチャービジネスが倒産するケースがしばしばマスコミに登場することがあります。収益性は非常に高いものを持っているものの、自己資本が少ないために借入金への依存度が高く、経営抵抗力のない体質であるため、経営が破綻してしまうのです。 会社に成長過程において、「安定性」に目をつむり、「収益性」の重点を置いた経営の舵取りをする時期があるかもしれません。 しかし、その時は、常に危険と裏腹の状態であることを念頭にリスクヘッジを考えた経営をしていかなくてはなります。攻めと守りのバランスをとっていくことが肝心です。 ですから、会社の未来を確かな軌道を描いて成長・発展に導くためには、基本的に極端な方向に片寄らない平衡感覚を保つことが大変重要です。 「安定性」を見るポイントは
です。これらの判定結果によって「安定性の向上」を実現していくための改善課題で考えられるのは以下の通りです。
例えば、小売業の場合で、自社にとって安定性の判定からで、「回収と支払のバランス」が課題であったとすると、以下のような検討項目が考えられます。 小売業「安定性向上」の改善課題(例)
決算書を分析・診断することにより、自分の会社の経営課題が明らかにされます。是非、顧問の会計事務所にご相談してみてください。 次回は、「健全性の向上」を実現するための改善課題について説明します。
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