引き続き、6要素から自社の経営改善をするための課題について、説明をしていきます。 今回は資金性です。 人間は身体の隅々まで血液が行き渡って循環していれば健康を維持することができます。反対な場合には動脈硬化や心臓病など生命に関わる病気になる可能性もあります。同様に会社の血液である資金が充分に全体に流れているのを見るのが「資金性」です。ですから資金性は「流動性」と言い換えることもできます。 会社の「流動性」(資金の流れ)を示す代表的な経営指標は「流動比率」で《流動資産÷流動負債》で求めます。流動負債は1年以内に支払わなければならない負債であり、流動資産は1年以内に現金にできる資産のことです。つまり、流動比率は、短期の負債と手形を返済するための財源を見る比率なのです。この比率が大きければ大きいほど会社の返済能力(余裕度)があることになります。 しかし、〔資金性〕は、会社の支払能力を見るためだけの要素ではありません。 会社経営では、投下した資本によって製造活動や販売活動が行われ、それが売上によって回収されます。 そこで投下した資金がムダなく使われているか、その回収程度はどうかが、問題になります。資本投下の仕方にムダがあったり、売上による回収が滞ったりすると、資金の流れが悪くなり、資金繰りに詰まる可能性があります。 そこでここでは、会社の資金がムダなく、効率よく、スムーズに回転しているかどうかを調べます。 「資金性」を見るポイントは
例えば、小売業の場合で、自社にとって資金性の判定からで、「IT化の推進」が課題であったとすると、以下のような検討項目が考えられます。 小売業「資金性向上」の改善課題(例)
決算書を分析・診断することにより、自分の会社の経営課題が明らかにされます。 是非、顧問の会計事務所にご相談してみてください。 次回は、「安定性の向上」を実現するための改善課題について説明します。
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