第133回 経営にもルーティンが大事

 昨年のラグビーワールドカップをご覧になられた方も多いと思います。中でも日本代表の五郎丸歩選手のポーズは注目され、有名になりました。人気だけでなく実力も伴い、正確無比なキックを蹴り続けていました。「五郎丸ポーズ」は膝を揃え、中腰の姿勢に両手を合わせる。祈るようなポーズである。集中力を高めたところで蹴る。見事にゴールポストの間を通って得点となる。

 五郎丸選手が言うには、「毎回グラウンドも、風も、角度も違う。そうした環境の中で、自分まで変わってしまったら、正確に蹴ることが難しくなってしまう。だから自分は変えずに、同じ動作(ルーティン)で蹴ることが大事なんです。」

 五郎丸選手だけでなく、プロと言われるアスリートにはそれぞれのルーティンがあるのです。「自分の手順、動作」を忘れないように、原点である「出発点、初心、基本」をしっかりと変えないことです。私たちは五郎丸選手のルーティンから学ぶことが多いのです。

 人間の成長もこれと同じなのではないかと思うのです。「人間の成長」は、つねに原点に回帰しながら一まわりずつ大きくなるのです。「仕事と人生」も、直線的に伸びっぱなしということはまず考えられない。しばらくすると壁にぶつかり、マンネリ化し、成長が鈍化し、降下してくる。これではいかんと思い直し、工夫して、努力するうちに、基本から外れていたためではなかったかと気づいて、原点に立ち返って、また活力を得て、新しい成長段階に入ってゆく。このくりかえしで「仕事と人生」が成長するのだと考えると、「同じルーティン」もとても得心がゆくのです。



 経営も同じではないかと思います。創業時の想い(理念)があり、毎年決算で一年を振り返り、反省し、原点に立ち返ってまた新たな一年をスタートする。

 年の始めにあたり、昨年一年間を振り返り、新たな年の計画を立てられる方も多いのではないでしょうか。自社の現状を分析し、攻める力・守る力それぞれの強みを伸ばし、弱みを改善する。そして更なる飛躍の年となられることを祈念いたします。


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