第131回 決算書には2つの真実がある

 決算書は一年間、会社の経営資源を活用した結果を表しています。ですから、経営にとって非常に重要であります。ただ、中小企業経営者にとっては、決算書は数字に表された結果という認識しかないかもしれません。

 しかしながら、決算には2つの「真実」があります。1つは、「事実」という真実。もう1つは「実感」という真実です。多くの経営者の方々は、決算は「事実」だけが「真実」だと思っています。

 決算期になれば「貸借対照表と損益計算書」が作成され、「勘定科目という専門用語と数字の羅列」で、数字の事実です。大多数の経営者は「決算書」を見ただけでは内容がわからず、「決算アレルギー」になってしまっているのです。

 これに対して「実感」、これもまた真実です。経営を100とした場合、数字で表わして把握できるのは30%であり、残りの70%は「数字でとらえにくいもの」、企業の運命を決める経営者の心のウエイトです。アメリカのマサチューセッツ工科大学のコンピューターの権威の教授が、「経営内の情報でインプットしうるものは30%ぐらいしかない」と言い、衝撃を与えられたことがありました。70%は数字に表せない心の領域に属するもので、これが経営の発展に決定的な影響力を持っているのだと警告したのです。

 経営者が「会社をよくしよう」「こうありたい」と思う心、「夢、思い、目標、ロマン」などは、「実感」と言い換えもいいでしょう。「経営者の思い、経営理念、やる気、チームワーク、コミュニケーション」などといった経営システムにとって極めて大切なもののほとんどが、実は数字ではなかなか表せないものが多いのです。

 「事実」だけ並べてみても会社を変えたり良くしたりすることはできないでしょう。決算書の数字をそのまま見るのではなく、分析し、「何故こうなったのか」「今期はこういう状況だったからこの結果になったのか」などと「実感」することで背景を捉えることができ、今後の改善につなげていくことができるのです。

 決算書の数字から分析し、経営に活かすために「決算診断提案書」というものがあります。「収益性」「生産性」「資金性」「安定性」「健全性」「成長性」といった6つの要素で分析し、現状の経営課題を明確にして改善につなげることができます。

 一年間の経営の成果である決算書を是非とも、これからの未来の経営を良くしていくために活用していってください。


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