第129回 有意注意で判断力を磨く

 「人間の健康も、運命も、心一つの置きどころ」

 思想家の中村天風先生は、30代のころ、喀血と熱に苦しめられていました。原因は肺結核。癒しを求めて世界を放浪していたとき、インドで思わぬ経験をします。ヨガの聖者、カリアッパ師から「おはよう!世界一の幸福者」と言われたのです。病に苦しめられている自分が?と怒りさえ覚えたそうです。しかし、師は大真面目でした。
 
 『「頭が痛い、熱がある」といっても生きているじゃないか。まず第一に生きていることをなぜ感謝しないのだ。(中略)生きているお恵みを考えてみなさい。』この言葉で、天風先生の考え方はがらりと変わります。
 
 インドでの悟りをもとに、天風会という会をつくり、92才で亡くなるまで、多くの人々に影響を与えました。人生は心の持ちよう。今ある恵みに感謝して、努力することです。中村天風先生は「有意注意の人生がなければ意味がない」と説かれています。稲盛和夫氏も「有意注意で判断力を磨く」と説かれています。
 
 目的を持って真剣に意識を集中させることを有意注意といいます。私たちはどんな時でも、どんな環境でも、どんなささいなことであっても気を込めて取り組まなければなりません。最初は非常に難しいことのように見えますが、日頃、意識的にこれを続けていると、この有意注意が習慣になってきます。そうなれば、あらゆる状況下で気を込めて現象を見つめる、という基本ができていますから、何か問題が起きても、すぐにその核心をつかみ、解決ができるようになります。

 ものごとをただ漫然とやるのではなく、私たちは、日常どんなささいなことにでも真剣に注意を向ける習慣を身につけなければなりません。

 この「有意注意」とは、「意をもって意を注ぐ」、あるいは「意識して注意を向ける」ということです。これに対応するのは「無意注意」であり、例えば、どこかで音がしたので反射的にフッと振り返るというような意識の使い方を言います。そのような気の注ぎ方ではなく、自分から能動的に一生懸命意識を集中させる、これが「有意注意」という言葉の意味するところです。


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