第113回 中小企業経営者に求められるのは判断・勇気・行動

 日本経済を支えているのは中小企業の存在であります。その中小企業の社長は日々多くの重圧を感じながら経営を続けていると思います。大企業ではない中小企業の会社は自分で守るしかないのです。中小経営者に特に求められるのは判断・勇気・行動なのです。

 まず、判断です。アベノミクスで日本社会が変わろうとしている現在の市場動向や、人々のライフスタイルの変化がどのように自分の会社に影響していくのかを冷静に判断する力が求められているのです。情報を収集し、そこから必要なものだけを取捨選択し、時流を読み、自社の経営体力をよく把握して、そこに経営理念を加える。そうした準備をしておいて、いくつかの選択肢のなかから、最も正しい方向を選ぶ。その判断力を磨いておくことが必要なのです。

 次に、勇気です。情報を集め、周到な準備をし、成算を見込んだチャレンジでも成功する保証はありません。しかし、失敗を恐れて何もしなければ勝利はないのです。進むべき方向を決めたら進んでいく。反対意見があっても進む。その強い姿勢を貫くには勇気が必要です。勢いだけの蛮勇では困りますが、失敗を恐れて何もしないほうが会社にとってはるかに危険な状態です。経営者は進むべき方向の舵取りを右に切るか、左に切るかを信念を持って断固と決断する姿勢、勇気が必要なのです。

 そして、行動です。勇気をもって下した決断を、社員に示すのが行動です。ただ、表明するだけではなく、自ら進んで行動を起こす。社員はその姿を見て危機感を覚え、会社は改善しさらに成長していくために動き出します。

 会社を守り、成長させていくためには、経営者は判断・勇気・行動を常に意識しておくべきなのです。

 中小企業は、大企業と違って、従業員も少なく、組織構造もシンプルなので、経営者が勇気を持って判断し行動を起こしていけば全体に直ぐに浸透していくのです。信頼関係、スピード、柔軟性を兼ね備えているのが中小企業の特長だと思います。この強みを活かさない手はないのです。

 赤字に低迷する半数以上の会社は、時代の変わり目に何かがきっかけで悪循環に陥ったと言います。環境が悪い等の他者責任説を取っていては、何の解決にもならないのです。経営者として先ずすべきことは、その負のスパイラルをとにかく止めることなのです。そのためにも、判断・勇気・行動が必要なのです。経営者の判断・勇気・行動を具体的に社員に示すために必要なものが会社の「事業計画」なのです。

 事業計画を立てるにあたっては、立てた計画が「絵に描いた餅」になっては意味がありません。まずは自社の経営上の問題点や強み・弱みを分析し、自社の現状をよく把握しておかなければ、その土台の上に立つ計画も揺らいでしまうというものです。まずは決算書を分析・診断し過去の決算からの推移や今回の経営の結果をしっかりと掴み、その上で事業計画を立てるのです。事業計画にあたっては、なぜこの計画をたてるのか、経営理念を明確にし、そこからビジョンを描きます。するとそのビジョンを実現するために何を行えばよいのかが見えてきます。その何を行うかを決断し具体的な数字に落としこむことで、実践的な事業計画が生まれるのです。


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