第112回 経営者は強い意志と哲学を持つ!!

 最近、稲盛和夫氏が主宰する経営塾「盛和塾」の参加者が急増しているとのことです。JAL再建により、稲盛和夫氏の経営手腕が再評価されている影響かもしれません。そのような中に日経BP社から「経営者とは 稲盛和夫とその門下生たち」が発刊されました。その中に「盛和塾」を発足させた理由が書かれていました。その理由は3つあり、第一番目が経営者は孤独であり、その心境を共有できるのは、同じ立場である経営者同士でしかない。その共有できる場をつくるため。第二番目が、経営者は経営のあり方に悩んでいる。最大の悩みは、従業員をどうまとめていくかです。そのためには経営者の人間的魅力を高めていくしかないのです。苦労が人格を高めていくことを知ってもらう。気づいてもらうための発見の場をつくるためです。第三番目に、経営者の人間性を磨く上で一番大事なものが、思いやりです。仏教でいう慈悲の心です。その経営者として向上したいと思う集まりの場をつくるため。以上のような理由が書かれています。

 「盛和塾」での、「経営の原点12カ条」とは、

 1.事業目的・意義を明確にする
 2.具体的な目標を立てる
 3.強烈な願望を心に抱く
 4.誰にも負けない努力をする
 5.売り上げは最大限に、経費は最小限に
 6.値決めは経営
 7.経営は強い意志で決まる
 8.燃える闘魂
 9.勇気を持ってことにあたる
10.常に創造的な仕事を行う
11.思いやりの心で誠実に
12.常に明るく前向きで、夢と希望を抱いて素直な心で経営する

です。経営者としての強い意志と哲学を持つための行動指針ともいうべきものではないでしょうか。経営者が自分で経営を行っているか、この「経営の原点12カ条」を実行しているかどうかを図る物差しとして、「マネージメントパワー」が参考になるかと思います。特に中小企業経営者が自分の経営に対する考え・思いがどのようなものかを最低一年に一回振り返ることにより、謙虚に反省する。それが経営者としての向上を図る上で大事なことではないでしょうか。

 「マネージメントパワー」は決算時に経営者が、現状の経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)をどのように評価しているか、数字では表せない経営力を8つの要素で診断します。48問の経営に対する思い・考えについてのアンケートに5段階で答えることで、(1)社長自身、(2)顧客(マーケティング)、(3)商品(サービス)、(4)人材、(5)成長性、(6)財務、(7)経営管理、(8)危機管理について改善すべき課題を明らかにしていきます。

 経営を100とした場合、数字に表れるのは約30%。企業の運命を決める経営者の意識と行動のウエイトは約70%です。常に自己分析し、研鑽を重ねることで良き経営者として成熟していくのです。





 決算診断の詳細についてはこちらをご覧ください
  → 経営に必要な様々な情報・サービスを提供「決算診断実践会」



Produced By
「決算診断」プロス
株式会社プロス