第11回 経営を成功させるポイント(4)(運輸業・その他編)

(運輸業・その他編)の会社が経営を成功させるポイント

・情報管理の徹底
 運輸業は、車両の稼動状況が収益性を大きく左右します。
 しかも設備である車両は広く分散しているため、誰かが現状を見れば分かるといったものではありません。予約状況や進行状況をデータとして常に把握し、対策が検討できる状況になっていなければ対応ができないのです。また、このように自社の稼動状況を把握することの他、たとえば同業者から空き情報をもらい、その便をすぐ予約できるネットワークをつくっておくことも重要です。

・総合サービスの提供
 お客様にとって物流業者は、単に物を納期どおりに運んでくれればいいというわけではありません。トータルで大きなメリット「総合サービス」がもたらされることを期待しています。
 具体的には、情報システム作成、倉庫業務から軽四輪、2トン車、4トン車、大型トレーラーまでのあらゆる輸送手段をシステムとして提供することです。
 ただし、これらはすべてを単独企業で実行しなくてはならないものではありませんので、提携などのより中小企業でもある程度は対応が可能です。このシステムの導入により、大きな成果を出すことができれば単純な価格競争に陥ることもなくなります。

・荷主との一体化
 荷主の従業員、荷主の車両といった立場での仕事が要求されることが少なくありません。このような場合には、荷主企業の経営理念や営業方針などをしっかり理解し、荷主と一体となった行動をとることができれば、荷主や荷主のお客様などからの評価も上昇します。
 このような関係ができれば、荷主との契約条件や継続契約についても好ましい結果につながります。


(その他)の会社が経営を成功させるポイント

・リ−ス・賃貸業
 リース・賃貸業といっても時代に合った品揃えをすることが最も重要なことです。その他、予約状況をリアルタイムに捉え、これに合わせた営業・整備活動を進めることで設備などの稼働率を高めていくことができれば高収益につながります。

・ビルメンテナンス業
 低コストで、一定の質のサービスを供給できるような構造をつくり出すことがポイントです。具体的には、高齢者やパート・アルバイトに対応したシステム化、標準化、教育・訓練制度、人事諸制度の充実が必要です。その上で、次のステップとして、総合サービスとして受注できる体質づくりと推進ができれば、収益体質を大きく改善させ競争状況を優位にすることも可能です。

 その他業種の会社が経営を成功させるポイントは多々あるかもしれません。ただ、重要なのは自分の会社をいかに守るかにあります。
 そのためには、今赤字に陥っている会社の経営者は「決算書など見たくない」と言う方が大半でしょう。
 しかし、現実は現実として受け止め、経営者は逃避することなく、何故赤字経営になっているかを決算書から学んでいく必要があります。

 次回から、決算書から読み取れる経営課題について解説をさせていただきます。





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