第109回 「決算書」で切り拓く新たな経営!!

 中小企業経営者は、 「もっと資金調達をスムーズに行いたい!」「頑張っているのに、経営がよくならない」といった多くの悩みを抱えていると思います。このような問題を乗り越えるためには、いわば企業の“足腰”である決算書の強化を図ることが必要です。

 こうした中小企業経営者の声を踏まえ、昨年2月1日に、中小企業経営の実態にふさわしい新しい会計ルールである「中小企業の会計に関する基本要領」(中小会計要領)が公表され、1年が経過しました。

 これまでのように「帳簿」、「計算書類」を税務処理するための道具ではなく、今後は「経営状況の把握や経営改善のための道具」として活用していくことを目的にしています。

 去る3月19日に、公表されてから一年を経過したことを踏まえ「中小会計要領フォーラム:『決算書』で切り拓く新たな経営」が東京国際フォーラムで開催されました。その内容は一年間の活動事例等を中心に中小企業経営にとって有意義なものでした。

 特に、基調講演は、西武信用金庫の代表から、テーマ:「金融機関における中小企業支援と中小会計要領」として、首都圏中心に64店舗を含む105拠点で事業展開されている実際の活動の内容でした。

 お客様である中小企業の経営課題解決のお手伝いを事業コーディネーターの方々が支援されている実体験内容は金融機関との付き合いをする際の参考になるものでした。

 経営支援の5つの取り組みを
 1.自己資金に対するCF重視の経営力の強化
 2.自己資本の強化
 3.内需減少による対外戦略の強化
 4.世代交代等事業承継戦略の強化
 5.業種転換や事業転換等による経営力強化
として、中小企業経営の抱える課題にフォーカスした支援を行っています。そして、その中でも西武信用金庫として、経営力強化の最大のポイントは「正確な財務データの活用」であると捉え、「決算書」の重要性を訴えていました。

 また経営活動の事例発表として、「私はこうして経営を良くした! 中小企業の現場から」では、実際の現場での経営改善活動の実際を経営者自らが発表していただきました。創業から現在に至る経営活動のご苦労を経営者自身の言葉で話されたことは、大企業の経営者ではない中小企業経営者の社長の心から発したものとして、経営に携わる多くの方々に聞いていただきたいものでした。

 最後のパネルディスカッションである「今、決算書の信頼性が求められている!―中小企業支援者の現場から―」も非常に参考になる内容でした。パネラーである磐田信用金庫の方から「『決算書』の信頼性は、経営予防管理に通じ、そのためには『決算書』の見える化が重要である」、磐田信用金庫では会計経営力という言葉でお客様である中小企業の支援を行っているそうです。

 また、東京商工会議所の方からは、経営の信頼性確保は決算書の信頼性確保であり、そのために中小企業の実態にあった中小会計要領を共通言語として普及していきたいと情熱を込めて力説されていました。

 「中小会計要領」による会計処理での「決算書」の信頼性から金融機関では、金利優遇ローン対応を行っているケースもあります。

 正しき経営を行う上で、「決算書」を有効に活用すれば、正当な評価をされ借入金利の負担の軽減等の対応をいただけます。「中小会計要領」に関しては、是非、会計のプロである会計士・税理士へ相談をしてみてください。

 そして、このように「決算書」の重要性が叫ばれる中で、決算書の中身を経営者自身が理解するためには、専門家である会計士・税理士にわかりやすく説明を求めることがよいでしょう。全国で決算書を分析・診断し、その結果をわかりやすくまとめた「決算診断」として提供してくれる会計事務所が数多くあります。まずは、そのようなわかりやすい説明・資料で対応できる専門家の門を叩いてみてはいかがでしょうか。



 決算診断の詳細についてはこちらをご覧ください
  → 経営に必要な様々な情報・サービスを提供「決算診断実践会」



Produced By
「決算診断」プロス
株式会社プロス