第107回 「仕事と人生」には三つの坂がある!!

 「仕事と人生」には三つの坂があるといいます。1つ目は上り坂、つまり万事が好調で、何をやってもうまくいく時です。二つ目は下り坂、つまり不調に陥って思い通りにならない時もあります。そして、三つ目の坂、これは“まさか”という坂です。この“まさかの坂”は急に出現します。中央自動車道の笹子トンネルで事故に巻き込まれ9人の方が亡くなられました。まさか天井板が崩壊するとは誰しも思いもしませんでした。また、多くのファンに愛された歌舞伎俳優の中村勘三郎さんが57才の若さで亡くなるとは、誰しも復帰されると信じていたのに・・・。

 “まさか”は予測不可能なものです。巧妙な落とし穴のように、油断している時に突然出現する坂です。よく昔の人は「一寸先は闇」と言われます。人生の好調な時、上り坂の時にまるでエアポケットに入ったように“まさかの坂”が出現して奈落の底に突き落とされたりします。また下り坂の時に、追い打ちをかけるように“まさかの坂”が現れて、これでもかという具合に決定的なダメージを与えてしまうことあります。


 過去の日本の歴史を振り返っても、桶狭間の戦いの例があります。当時、圧倒的に有利だった今川義元は、織田信長の奇襲に遭い、壊滅的な敗北を喫し義元自身も討ち取られてしまいました。その織田信長も天下統一を目の前にしながら、本能寺の変で腹心の明智光秀の軍勢にあっけなく滅ぼされてしまいました。今川義元にとっても織田信長にとっても、上り坂の最中に突然現れた“まさかの坂”の犠牲者になってしまいました。このような歴史的人物ではなくても、日常の私たちの「仕事と人生」にも急に出現するかと思います。「長年の取引先が倒産してしまった。親友に裏切られるとは。信じていた人が、まさかこんなことに・・・」ということが起きてしまいます。また、交通事故にあったり、身内の不幸があったり、“まさかの坂”の例は枚挙に暇がないほど、人生にはつきものといっていいかもしれません。

 しかし、残念ながらこの“まさかの坂”は実に予測不可能な坂なのです。だからこそ、“まさか”なのです。これを防ぐ手立ては大変難しいですが、常に油断をしないことを心の戒めにするしかないかもしれません。

 昨今の中小企業経営を取り巻く環境は、“まさかの坂”の連続といってもいいかもしれません。経営者は不安の日々に襲われ、眠ることもままならないかと思います。突然襲ってくる“まさかの坂”の出現の予想は難しいですが、常に何が起きても慌てない心構えを経営者は備えておくことが肝要かと思います。そのために、会社の現在の経営状態がどうなっているか、自分の経営者としての考え・思いは大丈夫かを点検していくことが必要不可欠なのです。


 会社を経営する上で、今どのような状況にあるのか、どんな環境に置かれているのか、そしてご自身の経営に対する取り組み方はどうか、これらを客観的に把握し、そして主体的に問題点を乗り越える努力を続けていくことこそ、経営者の仕事と言えます。経営状態もわからず、日々の仕事に追われる毎日ではいつ“まさかの坂”が現れるかわかりません。経営状況を把握するには「決算」を読み解くことです。1年間の経営の結果が凝縮されており、外部の目も気にしておく必要があります。このような経営状況の把握は専門家による「決算診断」で自社の置かれた状況を把握し、どのように進んでいくかを相談していくことが求められているのです。


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