第10回 経営を成功させるポイント(3)(飲食業・卸業編)

(飲食業)の会社が経営を成功させるポイント

・市場に受け入れられる明確な特徴を出すこと
 飲食業の場合、どのようなものをどのように提供するかは、創意工夫次第である程度どのようになる面があります。特に、お客様を取り合うような有名店との差別化として、何かの特徴が出せ、それに市場性があるのであれば成功する可能性は高いでしょう。

・売上、原価、人件費の徹底管理
 収益性を大きく左右するのが、売上、原価、人件費です。したがって売上の実績、原価の実績、人件費の実績を正確にタイムリーに捉えた上で、目標管理を徹底する必要があります。これができなければ、次のようになることが多くなり、あまり利益を出せなくなります。

 (1)適正なメニュー開発、販売促進の検討すらできない
 (2)原価率の上昇または高止まり
 (3)人件費の上昇または高止まり


目標管理の成功のポイントは計画の管理にあります。たとえば、人件費の場合では勤務シフト表を作った段階でコスト金額は決定されます。  売上の見通しを立て計画をしっかり立てれば、目標をクリアする確率は高くなります。

・販売促進と企画の実施
 飲食業の場合、付加価値率が高いため、たとえば割引券などを発行してそれによって客数が増えれば、利益をだすことができます。お客様から見て「わかりやすく、納得しやすいテーマと内容」を企画し、計画的に実施することが大変重要です。たとえば「500円ごとにスタンフプ一個のスタンプカード、スタンプ20個で500円の割引券の提供」などもよいでしょう。


(卸売業)の会社が経営を成功させるポイント

・メーカー的な立場づくり
 自社で商品企画を行いメーカーに製造させたものを販売する。このような形がとれれば卸売業でありながら、メーカーのような立場での取引が可能になります。中小メーカーが中心の商品の場合には、この方法で成功している企業も少なくありません。ポイントは、商品企画力を持ち、信頼が得られるブランド力を築き上げられるかどうかです。商社の場合には、このようなメーカー的な立場と品揃え技術力(カタログ、ホームページなどの活用)などによって、関連商品を一社ですべて揃えられることを武器に成長している企業もあります。

・小売業の組織化
 小売業をFC、VCあるいはこれに近い形で組織化し、店舗、品揃え、販促、人材育成、管理システムなどを総合的に指導、支援を行うことで取引上有利な立場をつくることができます。ポイントは、総合的な小売業経営のノウハウと指導力の確立にあります。

・販売企画力の強化
 小売業の組織までいかなくても、小売業の収益増につながるような販売企画力とこれに連動した商品供給を行うことができれば、競合他社との差別化が図れます。

・成長する業種・業態の顧客構成を高める
 卸売業の場合、ルート販売的要素が大きいため、顧客構成が成長を大きく左右します。成長する業種・業態の顧客を開拓、あるいは育成することによって構成比を高め、この中で収益性を確保できる仕組みを築き上げられるかがポイントです。





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