今まで、企業経営にとって、決算書を有効活用することによって、自社のレベルがどの位置にあるか、攻めと守りのバランスはどうか、更に重点課題はどこにあるのかなどが分ったと思います。 この結果を踏まえて、今すぐにも自社の改革に着手してください。と同時にこの機会に経営理念、経営戦略の確立をされてみてはいかがでしょうか。すでにある企業でも再度、自社の経営理念、経営戦略の点検をされてみることも必要かもしれません。 「言われてなくても全社員にきちんと示している」と言われる経営者の方も少なくないかもしれませんが、現実を見ると自社の経営理念を社員全員が理解している企業はほとんどないのが実情でしょう。いかに社員末端まで浸透していないのかのあらわれと言えましょう。 それでは経営者の熱意、思いを「経営理念」に込め、具体的な展開を「経営戦略」に示してもまったく機能していないと言わざるを得ないでしょう。 経営理念が全社的に浸透し、機能すれば 1.全社員の「共通価値観」になる 2.自社の存在理由が明確になる 3.中長期の会社の目指すべき方向性が明確になる 4.企業倫理、行動規範になる 5.自社の特長や独自性を創る 6.全社上下の意思統一が図られる 7.環境の変化に対応できる 8.社風が向上する 9.企業文化の中核(コア)になる 10.人事システムの基礎となる 等の効果が期待できます。 ただし経営理念は現実に即したものでなければなりません。ビジョンを語ることは大切ですが、それがあまりに現実とかけ離れてしまっていては社員にとって夢物語としてか、映りません。ですから経営理念のある企業も、再度見直ししてみる必要があるのです。 そして、経営者自身にも社員にもビジョンより現実的なものにするためには、「経営戦略」が必要です。経営戦略がなければ、せっかくの経営理念も「絵に画いた餅」になってしまいます。 決算書による自己診断は、自社の経営理念を立てるのに大きく役立ちます。何故かというと決算書による自己診断から今後、自社がどのような方向に向かって進んでいけばよいのかが掴めるからです。 会社の方向性が決まれば自ずと経営理念は決まってくると思います。 経営理念が決まれば経営戦略も決まります。つまり、自社の決算書による自己診断によって経営理念、経営戦略が確立できるのです。 現在、経営理念、経営戦略なくして成功している企業はありません。 成功している会社の経営者は全てしっかりとした理念、戦略を持っています。 この機会に再度、自己診断に基づき自社の経営理念、経営戦略を見直してみてはいかがでしょうか?
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