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52.退職給付制度 就業規則等の定めに基づく退職一時金、厚生年金基金及び確定給付企業年金の退職給付制度を採用している会社にあっては、従業員との関係で法的債務を負っていることになるため、第53項又は第54項による引当金の計上が必要となる。 53.確定給付制度の会計処理−原則法 退職給付債務は、退職により見込まれる退職給付の総額のうち、期末までに発生していると認められる額を割り引いて計算する。退職給付債務に未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用を加減した額から年金資産の額を控除した額を退職給付引当金として計上する。 54.確定給付制度の計算方法−簡便的方法 退職一時金制度の場合、会社が自ら計算することができる方法として退職給付に係る期末自己都合要支給額をもって退職給付債務とすることが認められる。 確定給付型の企業年金制度であっても、通常、支給実績として従業員が退職時に一時金を選択することが多い。この場合には、退職一時金制度と同様に退職給付債務を計算することができる。 55.確定拠出制度(中小企業退職金共済制度等)の会計処理 中小企業退職金共済制度、特定退職金共済制度及び確定拠出年金制度のように拠出以後に追加的な負担が生じない確定拠出制度については、当該制度に基づく要拠出額である掛金をもって費用処理する。ただし、退職一時金制度等の確定給付制度と併用している場合には、それぞれ会計処理する必要がある。なお、退職一時金の一部を中小企業退職金共済制度等から支給する制度の場合には、期末自己都合要支給額から同制度より給付される額を除いた金額によることとなる。 56.退職金規程がなく、退職金等の支払に関する合意も存在しない場合 退職金規程がなくかつ退職金等の支払に関する合意も存在しない場合には、退職給付債務を計上することはできない。 ただし、退職金の支給実績があり、将来においても支給する見込みが高く、かつ、その金額が合理的に見積ることができる場合には、重要性がない場合を除き、退職給付引当金を計上する必要がある。 57.特 則 退職金規程があるが退職給付引当金を計上していない場合、一時に処理することは、財政状態及び経営成績に大きな影響を与える可能性が高い。そのため、本指針適用に伴い新たな会計処理の採用により生じる影響額(適用時差異)は、通常の会計処理とは区分して、本指針適用後、10年以内の一定の年数又は従業員の平均残存勤務年数のいずれか短い年数にわたり定額法により費用処理することができる。この場合には未償却の適用時差異の金額を注記する。
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