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買い取り価格比較サイト立ち上げ『もったいない』を広める

(16/12/15)

 「もったいない」が、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用)、リデュース(削減)の3Rを象徴する世界共通語となって約10年。その“もったいない精神”にあふれるサービスが今、脚光を浴びている。ウリドキネット(東京、木暮康雄社長)がインターネット上で展開するウリドキがそれ。押し入れやタンスに眠る“資産”の価値を最大化できるのが同サービスのキモとなる。死蔵品に息を吹き込み、リユース市場を活性化させるウリドキは「もったいない本家」にどんぴしゃり当てはまり、普及速度はさらに加速しそうだ。

 同社は、大学生だった2005年にネット販売会社を立ち上げた木暮社長が、2014年に、その学生ベンチャーの延長線上で興した企業となる。学生ベンチャーでは、漫画本の買い取り&販売サイトを運営した。木暮社長は、同ビジネスを通して、買い取りの重要性を皮膚感覚で知ったという。そこで「買い取り価格を比較できるサイトに、広告を出そうと考えた。ところがいくら探してみつからない。よし、それなら自分でやってしまおうとなった」(木暮社長)。

 ウリドキは、売りたいものがいくらで売れるかが、ネット上で事前に分かるサービス、仕組みとなる。約130の買い取り店舗の中から、当該品の最大買い取り価格が示されたりする。買い手に買いたいものの最低価格や価格ランキングを知らせる価格比較サイトの売り手版=買い取り価格比較サイトであって、消費者(売り手)と買い取り店をつなぐ、稀少なCtoB型のビジネスモデルともなる。

 ウリドキの取扱対象品は、ゲーム、DVD/CD、古本、ブランドバッグ、時計、パソコン、カメラから、電動工具、楽器、自転車、ゴルフクラブまで、実に幅広い。買い取り価格の時系列の推移をグラフ表示する機能も付加されており、ユーザーは、今が売り時か、それとももう少し待った方が得なのかを直感的に判断できる。「ウリドキ」のネーミングの謂れである。

 ミレニアル世代(80年代〜2000年生まれ)に属する木暮社長は、漫画とパソコンが大好きな少年として育つ。ある日、テレビでIT企業の特集を見て、インターネットの可能性を知り、衝撃が走る。「ネットって単に情報を届けるだけじゃない!」。この瞬間、ネットで起業したいと思った、と振り返る。起業家を目指し大学の経営学部で学んでいた時、教授に「過去は過ぎ去ったもの。未来は幻。現実は今だけ。ホンモノの起業家は今日動く」と言われ、その日のうちに法人設立の本を買い、数か月後に実践、今日に至る。二つの出会いから生まれたウリドキは、今が旬、カイドキの企業に育ち上がった。

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