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企業向けアニメ動画の制作で先行し、進化し続ける

(16/11/25)

 アニメーションを使ったコマーシャル動画の制作で、実績を積み重ねているのがInSync(インシンク、大阪市、慎祥允社長)だ。アニメ動画は、多くの制作会社やクリエーターたちが激しく競合する“レッドオーシャン(激戦の既存市場)”のビジネスと思えるが、インシンクは「先駆的な立場にいる」(慎社長)と他社を一歩リードするポジションをキープ。その差が赤色を青色に塗り変えて、“ブルーオーシャン(競争のない新市場)”を巡航速度で突き進んでいる。

 同社は、慎社長が5年ほど前に立ち上げたインターネット・ウェブマーケティング会社を母体とし、主力事業が動画制作にシフトしたのに伴い、昨年3月、現インシンクとして再発足した。その動画づくりは、アニメを多用することで、インフォグラフィックと呼ばれる「情報やデータの視覚的に表現手法」を実践しているのが特徴。インフォグラフィックにより、分かりやすく、明快に、伝えたいことを伝える、といった情報伝達の基本が叶えられるようになるという。

 「いち早くアニメ制作を進めてきたことで社内に多くのノウハウが蓄積され、それが次の実績につながっている」。慎社長は先行の利が、好循環に結びついていると説明する。実際、これまでに大手の電機メーカー、EC・ポータルサイト、ネット広告会社から、コンサルティングファーム、機械設備メンテ、英会話スクールまで、多種多様な企業の製品・サービスを紹介するアニメ動画の数々を手がけている。顧客は東京本社の企業が大半で、大阪のベンチャー企業が、その仕事を取れているところに同社のスキルの高さが伺えよう。

 慎社長は「製作工程において、完成イメージを100%顧客と共有できる仕組みを取り入れているのも当社の大きな強み」と強調する。すべてのイメージを事前に紙芝居のようなイラストで共有し、出来上がってから「話が違う」と揉めたりすることを未然に防ぐ仕組みとなる。こうしたシステムや運営体制が日々、進化発展するのに加え、YouTube(ユーチューブ)に代表される動画サイトの普及拡大という追い風も吹いている。目下のところ、「前途洋々、波低し」の同社アニメ動画ビジネスである。

 同社ではアニメ動画のほか、インタビューを中心とするドキュメンタリー動画にも力を入れており、「自社ウェブサービスの開発も進めたい」(慎社長)と多角化へ意欲を示す。慎社長は、もともと英会話講師紹介サービスで起業し10年間、同サービスに携わったキャリアの持ち主。同サービスを通してウェブマーケティングのすごさを知ったのが今日につながる。自身の体験を踏まえ「インターネットを最大限に活用した事業に取り組む」と、ネットと同期=イン・シンク(ロナイゼーション)した成長発展を目指していく。

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