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訪日外国人の生活全般を支援して躍進
(15/09/30)

 中国人観光客の爆買いが何かと話題になっているが、訪日外国人の中には留学や就労で長期滞在する人も少なくない。そんな外国人が、来日当初に戸惑うのが部屋探し。日本の賃貸住宅では保証人制度が広く普及している上に、オーナーが外国人を敬遠する向きが強いため、外国人は往々にして賃貸住宅から締め出されてしまうのだ。困った彼らを手助けできれば、社会的意義がありビジネスの広がりも見込める−そう見極めて、外国人保証を事業化したのがグローバルトラストネットワークス(GTN、東京、後藤裕幸社長)。設立から10年近くの間、着実に実績を積み重ね、提供サービスは拡充、進化の一途をたどる。

 同社は、後藤社長が平成18年(2006)年に興した。中央大学法学部の学生時代から起業家として活躍し、外国人と一緒になって仕事をしてきた後藤社長が、家を借りられない外国人を目の当たりにし「家も提供できない国で、何がグローバル化だ」と、半ば義憤に駆られて立ち上げた。創業時、後藤社長は不動産会社100社を回って、オーナーが外国人を敬遠するわけをリサーチして「1人のはずが、いつの間にか3人、4人と居ついてしまう」、「国に逃げられる」、「ゴミ出しがきっちり行えない」など多岐に亘ることを知る。

 GTNの仕事は、それらオーナーサイドが抱える不安、不満を解消するソリューションビジネスとなる。お金をケアする家賃保証のほか、ゴミ出しをはじめとする生活習慣の指導、電気・ガス・水道のセットアップなど、外国人入居者の住まい全般に関わる面倒を見ることにより、同社は「特殊な進化を遂げてきた」(後藤社長)。また、身元確認のため、場合によっては当該外国人の出身地に出向くといった念の入れようが同社の信用を高めた。

 もともと「困っている外国人を手助けしよう」との思いから始動した同社は、保証事業の一方で、外国人専用の部屋探しポータルサイトの開設、アルバイトの斡旋、MVNO(仮想移動体通信事業者)方式による携帯電話サービスなど、新サービスを次々と企画し実行に移した。創業から9年余り。この間の蓄積で「日本で一番、外国人のビッグデータを持つ会社」(後藤社長)と自負する同社では、ビッグデータ活用の新事業も仕込み中という。

 社員70人余。うち中国、ベトナム、ネパールなど外国人が約50人、3言語以上を話せるスタッフが45人と、多国籍化が進むGTNについて、後藤社長は「多国籍、多文化の人間が同じ船に乗り、互いの違いを尊敬し合うカルチャーが定着しているのが最大の強み」と自己分析する。強みを補強するのが社外取締役に名を連ねる下條武男、中上崇の両氏だろう。ベンチャー企業を経営し、多くのベンチャーを支援し続けて、ベンチャー講座の教鞭をとるなど何十年に亘ってベンチャーに深く関わる、いぶし銀的な二人の存在が、同社の信頼(トラスト)とネットワークをより厚くしている。

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