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農業、環境、物流に商機見い出し、IoT事業を推進
(15/09/02)

 モノのインターネットと訳されるIoT(インターネット・オブ・シングス)が広く喧伝され、IoTへの関心は高まるばかり。多くの企業がIoT事業に参入し、市場の掘り起こしにしのぎを削る状況を迎えているが、「実際には思ったほど導入が進んでいない分野でもある」と、意外な見方を示すのがスカイディスク(福岡市)社長の橋本司さんだ。なぜ、導入が進んでいないのか。同社では、その阻害要因を取り除いた自社製品・サービスで、新市場を切り開こうとしている。

 同社は平成25年創業のベンチャー企業。九州大学でデータマイニングについて研究した橋本社長が、九州大学の支援も受けて設立した。「安心で快適な社会を実現するためのセンサー開発とデータ分析」を標榜し、センサーデバイスの開発、センサーデータの有効活用、センサークラウドの構築、センサーを活用したサービスの提供の四つの事業に取り組んでいる。

 IoTの導入が思いのほか進んでいない理由を、橋本社長は「価格とニーズのバランスが悪いことと、導入時の作業が煩雑なこと」の二つと見定めた。そこで同社では、従来品より一桁安い価格設定により、バランスの悪さ=高価格を解消した。さらに、センサーを設置するだけで、特別な設定などをしなくても、すぐに利用できるという導入作業の簡便さを実現。安さと簡便さを売り物に、トマトのハウス栽培など農業向けを中心に着々と納入実績を積み上げている。

 ではなぜ、安くて簡便な製品を提供できているのか。その一因として、同社が編み出した“着脱方式”のセンサーデバイスを挙げられよう。同デバイスは、赤外線(温度)、加速度、照度、ガス(CO2)など14種類の中から任意のセンサーを選ぶことで、一つの装置でさまざまな計測を可能とするものだ。また、ベンチャーならではの小回りの利く企業体質、俊敏な開発体制も、安さ、簡便さの実現につながっている。

 同社では農業、環境、物流の3分野に照準を合わせた事業を展開中。農業は温湿度、照度など、環境ではPM2・5、CO2などをセンシング。物流では人感センサーや加速度センサーによる倉庫等での効率的なオペレーション検証といった利用シーンを提案している。大手ITはじめ多くの企業とのパートナー戦略も進めている同社では、現状、数千万円程度の売上高を、5年後には50億円規模に伸ばす中期ビジョンを描き、「決して無理な目標ではなく、当たり前のことを当たり前にやれば達成できる」(橋本社長)と自信をのぞかせる。IoTビジネス現場最前線の手応えはすこぶる良好ということのようだ。

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