会社を良くする「経営の教科書」
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経営の教科書
(2016.08.08)

第62回 機能検査のまとめ

 このコラムでは、会社を船に例えて、航海をより実り多きものにするために、船の状態を「財務検査編(1回〜37回)」、「機能検査編(38回〜61回)」という2つの視点で確認する方法をお伝えしてきました。財務編では決算書をベースとして財務上の課題を、機能検査編では財務を裏で支えているPDCAサイクルの課題を浮き彫りにします。

 これまでずっと読み続けて頂いた方はおわかりかと思いますが、機能検査は「やっているか?」「やっていないか?」であり、これから「やるか?」「やらないか?」に過ぎません。そして、やれば確実に「組織の成長」が約束され、引いては「財務状態の改善」に直結します。

 以前もお伝えしましたが、問題や課題は忌み嫌うものではありません。その解決こそが企業の未来を明るくする大切な資源だからです。そう言う意味において、経営者自らが問題を直視することを恐れず、即座に決然とその解決に乗り出していくことが必要です。全ては経営者の「決断」にかかっています。

 財務の改善はある程度の時間を要します。しかし機能検査は今日から改善可能です。そして、機能検査の結果を改善していくことに集中すれば、自ずと未来の財務検査が改善されるはずです。そのような事例を私もたくさん見てきました。その支援を身近にいる航海士としての会計事務所に依頼して下さい。

 次回からはいよいよ、船長個人、乗組員個人のライフプランと会社の未来を財務の切り口から検査していきたいと思います。組織とは、つまるところ人で構成されているのですから、個人の状態と会社を一体としてとらえて検査しないかぎり全体を見たことにはなりません。是非、次回以降のテーマもしっかりおさえて頂き、皆様の経営に活かして下さい!