会社を良くする「経営の教科書」
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第52回 計画の運用(確認・見直し)がなされているか?
(検証力 その1)



 会社(船)の船長である社長に「計画の運用(進捗確認及び適時見直し)が出来ているか?」についてお尋ねします。以下の選択肢から御社の現状に最も近い状態を選択してください。

Question 立案された「組織」や「チーム」、「各個人」の計画の進捗状況が、四半期・毎月・毎週・毎日と定期的に確認され、日常業務の見直しや今後の計画へのフィードバックが行われていますか?

 Level1)  確認や見直しは全く実施していない(そもそも計画がない)。

 Level2)  不定期(思いついた時)で確認のみ行っている。

 Level3)  定期的な確認は実施しているが、その内容が日常業務や今後の計画の改善に活かされていない。

 Level4)  定期的な計画の見直しの結果が、日常業務や今後の計画の改善に活かされており、自社の成長発展の礎になっている。

 企業が策定する計画とは、掲げた目的・目標を達成するために、将来どのように行動するのかを決めたものです。逆説的に言えば、どのように行動をとれば目的・目標に最短で到達できるという仮説が計画です。

 多くの場合、計画がその通りに行くことはありません。取引先の倒産や、社員の突然の退職といった想定外の出来事や、そもそも目標設定や計画に思考の甘さがあるからです。しかし、計画と現実とのギャップ(=問題)は私達にとって、大切な資源となります。

 ギャップの原因(=課題)を明らかにし、日常業務や将来の計画を見直せば、計画の実現可能性を高め、より高度な目的・目標の達成が約束されます。この点において、計画を定期的に見直し、その内容を現場に反映させていくことの必要性は明確なのです。

 これが計画の運用ですが、計画の立案はできていても、運用まで行えている企業はさほど多くありません。計画の運用が出来なければ、組織は行き当たりばったりの行動を繰り返すのみで、成長することはないのです。

 もし仮に、あなたが定期的な計画の見直しを実施し、改善をしているにもかかわらず、成果に結びついているという手応えを感じられないなら、(1)社員自らが立てた計画になっているか?(トップや上司から押し付けられていないか)。(2)計画の検証、改善が社員主導でなされているか?(現場を責めるための検証になっていないか)。という2点を再度検証してみてください。計画の運用は、現場で実践されなければ価値を生まないのです。

 さて、御社の計画は運用されていますか?但し、計画の運用は社長の仕事ではありません。社長の大切な仕事は、計画の運用ができる社員を育てることです。計画立案とその運用の必要性を現場に伝え、現場が主体的に計画を運用する支援ことこそが社長の大切な仕事なのです。