会社を良くする「経営の教科書」
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第50回 社員の個性を把握し、適材適所の配置ができているか?
(実行力 その7)



 会社(船)の船長である社長に「社員の人材配置」についてお尋ねします。以下の選択肢から御社の現状に最も近い状態を選択してください。

Question 組織全体に影響を及ぼす社員一人ひとりの個性(能力的個性だけでなく、価値観の個性)と周囲の社員との関係性を考慮し、適材適所に人材を配置することで、全社員の個性を活かし、組織を活性化することができていますか?

 Level1)  全く出来ていない。

 Level2)  社員の個性と関係性を把握しようとしているが充分とはいえない。

 Level3)  個性や関係性は把握しているが、人事戦略に活かせていない。

 Level4)  人事戦略に活かすことで、社員が日々活き活きと働いている。

 仕事の成果は社員同士の個性と関係性を踏まえた人事戦略で大きく変化します。例えば4番バッターだけが集まった野球チームが最強かというとそうとはいえませんし、スキルは無くても風土を和ませるキャラクターの持ち主が、実は組織に多大なる貢献をしているという事例は数多くあります。

 1+1を2で終わらせず、3にも4にも、数百、数千という力に変えていくことが出来るのが組織です。逆に1+1がマイナスになってしまう状態に陥ってしまう組織もたくさん有ります。

 組織のパフォーマンスを最大限に引き出すためには、社員一人ひとりに備わる個性を、その社員が保有する経験や知識、資格といった表面的な能力にとどまらず、人間の人生を左右するもっとも重要な価値観について把握しておく必要があります。

 一方で、単に個性を分析するだけでは不十分です。組織がより力を発揮できるよう社員と社員の「関係性」を把握する必要があります。そこまでできて初めて適材適所の人事配置を柱とする人事戦略の立案が可能となるのです。

 「人は城、人は石垣、人は堀」といったのは武田信玄ですが、組織はつまるところそこで働く“人”です。いくら優れた戦略があっても、他社に負けない商品があっても“人”が力を出せない組織の未来は決して明るくありません。自社の最も大切な資源が正確に把握できてないということはありませんか?

 さて、御社の現状のLevelはどの段階でしょうか?明日から一つ上のレベルを目指した取り組みをスタートさせましょう!自社の輝く未来の鍵を握っているのは、社長のもとで働く社員なのですから。