会社を良くする「経営の教科書」
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第44回 現場での“戦闘”を支えるため具体的仕組み(実行力 その2)


 会社(船)の船長である社長に「会社の戦闘(現場の社員が、現実に戦いに臨んで負けないための具体的支援)」についてお尋ねします。以下の選択肢から御社の現状に最も近い状態を選択してください。

Question 現場での戦い方について、マニュアル等が準備され、具体的な教育研修により現場スタッフに落とし込み、その活用を充分に訓練することで、全社員の可能性を最大限に引き出す仕組みができていますか?

 Level1)  特に教育の仕組みはなく、現場任せになっている。

 Level2)  思いつきで場当たり的な教育は行っているが、仕組みになっていない。

 Level3)  マニュアルや教育は整備されているが、成果の検証はできていない。

 Level4)  実施した教育の成果の検証が行われ、更に改善に結びついている。

 戦略・戦術を応用展開するのは現場です。いくら優れた戦略があっても現場に力がなければその戦略は実現しません。また、優れた戦略は現場から届けられる先端情報のフィードバックによってのみ組み立てられます。フィードバックする力もまた現場の力です。

 現場の力は日々の鍛錬によってのみ磨くことが可能です。決して一朝一夕で身につくものではありません。日々の鍛錬において大切なのは、目的や目標はもちろん、過去の先輩方が残した自社独自のマニュアルといったツールであり、指導であり、共に目標を目指す仲間の存在です。これらが揃って初めて、一人では到底超えられない限界を突破し想像を超える現場の力が生まれます。

 それらのツールや指導におけるノウハウは、更に検証され、磨かれ次の世代へと継承されていくものです。検証がなされなければ、組織は成長しません。何故なら、組織の成長は、そこで働く人の成長だからです。

 部下への愛情・責任・感謝があれば、戦闘の準備は日々なされます。教育を放棄しているとすれば、それはリーダーとしての責任を放棄しているのと同じです。自社の教育の在り方を見なおしてみましょう。御社の現状のLevelはどの段階でしょうか?明日から一つ上のレベルを目指した取り組みをスタートさせましょう!その決意をするのがリーダーであるあなたの大切な仕事なのだから。