会社を良くする「経営の教科書」
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第43回 戦術としての手法・道具・武器を明確にする(実行力 その1)


 会社(船)の船長である社長に「会社の戦術(目的達成の手法や道具といった、社員にとっては武器となるもの)」についてお尋ねします。以下の選択肢から御社の現状に最も近い状態を選択してください。

Question 各戦略に基づき、具体的目標達成をするための戦術(手法や使用する道具等)が全員に理解・共有され、かつその活用が徹底されていますか?

 Level1)  戦術そのものが明確になっていない。

 Level2)  明確になっている戦術と、明確になっていない戦術がある。

 Level3)  明確な戦術はあるが、全社員が理解・共有はしていない。

 Level4)  戦術は理解・共有され、日々利用・活用されている。

 戦術が明示されていない要因には、戦略がないのか又は、あっても詰めが甘く具体的な戦術にまで落とし込めていない場合が多く見受けられます。詰められていない戦術があれば、その戦術を洗い出し、再度戦略の徹底した見直しが必要になります。

 戦術が具体的に明示されているのに、現場が動かない場合の要因は2つ考えられます。

 一つは、戦術が現場のスタッフに理解・共感されていないからです。トップを含めた上司の行動が偽善的な顧客満足となっており、求心力を失っている可能性があります。

 二つ目は、部下が決められたことを実行していない。つまり業務違反となっている可能性です。組織のルールが徹底されない社風となっている可能性があります。信賞必罰の評価となっていない甘さを振り返りましょう。

 最後に、戦術が明示され理解されているとお考えの場合は、成果が出ているかを検証してください。成果に結びついていなければ、上位概念としての理念・目的・戦略に問題があるのです。

 いくら優れた戦略があっても、それが実行に移されなければ成果が出ることは絶対にありません。そして、戦術を実行するのは現場の一人ひとりの社員です。従って、現場の一人ひとりの社員が理解し共感していなければ、戦術が実行されることはないのです。さて、御社の現状のLevelはどの段階でしょうか?明日から一つ上のレベルを目指した取り組みをスタートさせましょう!その決意をするのがリーダーであるあなたの大切な仕事なのだから。