会社を良くする「経営の教科書」
経営の教科書
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第42回 目的・目標を達成するための戦略を明確にする(思考力 その4)


 会社(船)の船長である社長に「会社の戦略(独自性・特徴・差別化)」についてお尋ねします。以下の選択肢から御社の現状に最も近い状態を選択してください。

Question 社長(あなた)は、目的・目標を達成するための基本戦略(価格・サービス・人事・組織・商品・仕入・在庫・広告等を考えるベース)を社員に明示していますか?

 Level1)  全く明示できていない。

 Level2)  明示できているものと、明示できていないものがある。

 Level3)  明示しているが、現場を巻き込めていない。

 Level4)  現場は充分に基本戦略を理解し、自ら主体的に思考し、実践している。

 戦略は理念に基づいて、目的と目標を繋ぐものとして立てられます。利益を生み出すからくりとも表現されます。お客様が同業他社でなく「あなたの会社やお店でなければいけない」と考えざるを得なくなる仕掛けです。企業生き残りの鍵はこの戦略にあり、環境分析や自社の強み・弱みの分析から自社オリジナルの戦略構築に取り組む必要があります。

 立てた戦略がうまくいかない要因として考えられるのは、その戦略が部分的な戦略となっているケースです。部分的な戦略では部門間や社員間相互の関係性を分断し、部分にとってのみ都合の良い戦略となってしまいます。これではうまくいくはずがありません。

 次に、どんなに考えぬかれた戦略であっても、現場の社員を巻き込めていない場合もその戦略は行き詰まります。現場を巻き込んだ上で戦略が活かされなければ、単なる方向性を打ち出しただけに過ぎず、現場が勝手に動くか逆に指示待ちになって変化に対応が出来ないという現象がおこります。この状態では、結果的に社員一人ひとりに実力が身につかず、中・長期的に見ると収益力が落ち、サービスは陳腐化し、いずれ顧客離れを引き起こしてしまいます。

 戦略の明示により、社員の主体性が引き出され、お客様からも評価される。そのような組織を目指していきたいものです。さて、御社の現状のLevelはどの段階でしょうか?明日から一つ上のレベルを目指した取り組みをスタートさせましょう!その決意をするのがリーダーであるあなたの大切な仕事なのだから。