会社を良くする「経営の教科書」
経営の教科書
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第41回 目的を達成するための目標を明確にする(思考力 その3)


 会社(船)の船長である社長に「会社の目標(目的を達成する上での障害に立ち向かう為に設定するもの)」についてお尋ねします。以下の選択肢から御社の現状に最も近い状態を選択してください。

Question 社長(あなた)は、目的を明示した後、その目的を達成するための定性目標と定量目標を明確にするよう社員に促し、現場の社員と目標を共有していますか?

 Level1)  定量目標も定性目標も明確にしていない。

 Level2)  定量目標は明確にしているが、定性目標は明確にしておらず、目的と目 標の関係性が明確になっていない。

 Level3)  定量目標も定性目標も明確にしているがトップダウンになっている。

 Level4)  全社的目的を共有した社員が、自ら主体的に高い定性目標と定量目標を設定し、その目標を社長とすり合わせ、日々いきいきと働いている。

 目的のない目標はありません。もし目的がないのに目標だけが設定されているとしたら、それは社員の機能性だけを利用していることになります。また、目標しかなければ、その目標達成がかえって不幸を招くことすらあるのです。

 そして、目標には「定性目標」と「定量目標」があります。定量目標は金額や率といった数値で表現されますが、定性目標は定量目標の達成を補完するものとして言葉で表現されます。定量目標だけであれば、会社の信用を切り売りしてでも達成すればいいという誤解を与えます。定量目標を達成する上で欠くべからざる心構えやルールを定性目標として設定しておく必要があるのです。

 最後に、目標はトップダウンでは達成されません。目的が自分のものとなれば、社員は自ら主体的に目標を立てるのです。更に、その目標は高ければ高いほど達成の確立が上がります。自ら目標を示すのではなく、社員が掲げた目標を承認したり、目的との関係から目標の修正をすることが社長の仕事です。

 さて、御社の現状のLevelはどの段階でしょうか?明日から一つ上のレベルを目指した取り組みをスタートさせましょう!その決意をするのがリーダーであるあなたの大切な仕事なのだから。