会社を良くする「経営の教科書」
経営の教科書
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第40回 仕事をする理由(目的)を明確にする(思考力 その2)


 会社(船)の船長である社長に「会社の目的(仕事をする理由)」についてお尋ねします。以下の選択肢から御社の現状に最も近い状態を選択してください。

Question 社長(あなた)は、社員から「我社は何の為に存在するのですか?何の為に私は仕事をするのですか?何故私はこんなに辛いのに頑張らないといけないのですか?」と問われた時の応えを明確にしていますか?

 Level1)  口頭では説明できるが、文章等で常に確認できる状態にはしてない。

 Level2)  文章にして説明をしているが、理解・共感を得るには至っていない。

 Level3)  理解・共感は得ているが、それを達成するための目標が明確でない。

 Level4)  目的と目標が相互に深く繋がっており、全社員が一丸となっている。

 御社は何のために存在するのですか?という問いに応えられなければ、無目的の会社だということになります。無目的の会社で働く社員が仕事に誇りを持つことは絶対にありませんし、無目的の会社が新たな価値を創造することもありません。

 人間は未来に希望がなくては一瞬も生きられない生き物です。目的が無く、仮に目標を達成できたとしても虚しさが際立つばかりとなります。目的と目標は違うのです。

 目指す所が不明なのに日々真剣に仕事をする様子は、かかっている場所が不明な梯子を懸命に登っている様子と同じです。登り切った時に「こんな場所に着きたいのではなかった…」という悲劇を生みます。頑張ったことが実感として全く成果につながらないのです。

 目的は未来への希望を与えてくれます。社員の共感と感動を引き出す目的を文章化しましょう。目的を明確にしたら初めて目標が力を持ちます。目的が共感されていると思えるのに、人が成長しない、組織が一丸となっていないなら、目的が共感されているというのが錯角か、目的と目標が連動していないかのいずれかになります。

 さて、御社の現状のLevelはどの段階でしょうか?明日から一つ上のレベルを目指した取り組みをスタートさせましょう!その決意をするのがリーダーであるあなたの大切な仕事なのだから。