会社を良くする「経営の教科書」
経営の教科書
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第38回 会社の機能性を検査するとは


 決算書に基づき定量的な視点から、過去から現在に至るまでの会社の攻撃力と守備力、持久力を確認するのが財務診断だとすれば、今度は現在から未来に向かって会社が稼ぎだす構造を持っているのかを機能検査によって確認していく。

機能検査は次の4つのカテゴリーで成立している。

 (1)思考力…戦法や戦略を思考により生み出す力
 (2)実行力…戦略を戦術に落とし込み、現場で戦闘をする力
 (3)検証力…実行した内容が、戦法にかなっていたかを振り返る力
 (4)改善力…検証した内容から、更なる成果を生み出すために改善を加える力

 財務診断では会社を船だと仮定して体力を「攻撃力」「守備力」「持久力」というカテゴリーで検証してきた。今度は「会社は有機体(※)である」いう概念のもと検証をしていく。

 生命体が自らの信念に基づき、目的・目標を立て行動し、その行動の成果(現実)を振り返る。会社がより価値のある未来を実現し、更なる進化・成長を遂げるために、先に示した4つのカテゴリーの力が必要になる。次回からは、その4つの力に踏み込んでいきたい。

有機体…この世界の万物(大自然)は、多数・多様な構成要素がそれぞれにおいて、限りなく個性的な部分の多様性を具え、自己組織的な生成の知性により、全体の目的貢献し、同一の方向に向かい、完全に統合された原理のもと相互補完的に機能し行動する組織体。