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第22回 会社の資金の「4つの種類」(4)


 会社にある現金・預金には「4つの種類」と「2つの質」が存在する。それを把握しておかなければ、経営判断を誤りかねない。今回は最後の四つ目の種類について確認する。

 第四の種類は「すぐに(原則一年以内)出て行くお金と、すぐに回収可能なお金の差額」。例えば短期貸付金や仮払金がある場合は、すぐに回収できるはずだし、逆に仮受金や預り金、未払金・未払費用はすぐに支払うことになる。

 一般的にこのお金はプラスになっているケースが多いが、重要なのは金額の多寡。この金額が全体の資金残高の大半を占めているような場合は緊急事態。短期間で拠出することが確定しているお金で資金繰りを回しているのだから、自転車操業になっている。

 また、決算書に「仮」勘定が多いことも問題。期中ならわかるが、決算時点においても「仮」の勘定があると言うことは、決算書を見た人から管理上問題があると認識される。

 更に、「仮」勘定が、退職社員への貸付けで、もはや回収できないと言ったように不良債権化している場合もある。そうなると、これはもはや存在すら危うい資金ということになる…。計算方法は次の通り。


 今、我社には「すぐに出ていくお金と、すぐに回収するお金の差額」はどうなっているのかを早速確認しよう。分からなければ航海士である会計事務所に尋ねてみよう。