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第21回 会社の資金の「4つの種類」(3)


 会社にある現金・預金には「4つの種類」と「2つの質」が存在する。それを把握しておかなければ、経営判断を誤りかねない。今回は三つ目の種類について確認する。

 第三の種類は「回収と支払のサイト差で生じる資金」。現金取引だけならサイト差は発生しないが、売掛金や買掛金、手形決済等があればこの資金に増減が生じる。現金商売で無い限り仕入債務(調達)より、売上債権(運用)の額が大きくなるのでこの資金はマイナスになる。

 マイナスの場合、現状の取引サイトを改善せずに売上が10倍になると、この資金のマイナスも10倍になってしまう。売上は伸びているのに資金繰りが楽にならないというカラクリがこれ。

 プラスの場合、サイト差による余裕資金が生まれている状態だが、事業をやめるとプラスの分だけの支払いが事業をやめた後、時間差で生じることになる。

 計算方法は次の通り。


前受金と前渡金は決算書と貸借が逆になります。金額はマイナスで書き込みます。その理由について詳細を知りたい!という方は kyoudoutai@kusumoto-jp.net までお問い合わせ下さい。


 今、我社には「回収と支払のサイト差で生じる資金」はどうなっているのかを早速確認しよう。分からなければ航海士である会計事務所に訪ねてみよう。