会社を良くする「経営の教科書」
経営の教科書
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第14回 『守備力』はこうして強化すべし!(その3)


 貸借対照表(以下:B/S)は、その構造が分かってしまえばとても簡単読むことができる。B/Sの単純な3つのカテゴリーを先ず理解しよう。

 (1) 向かって左(簿記用語だと「借方」)は、会社が保有している資産の明細。例えば、「現金・預金」、回収予定の「売掛金」や「受取手形」、「機械等の設備」や「土地・建物」「ゴルフ会員権」や「営業権」といった資産の種類と金額が列挙されている。

 (2) 向かって右(簿記用語だと「貸方」)の上の方に、左側(借方)の資産を確保する為に他人からお金をいくら借りているかが表記されている。例えば、銀行からの「借入金」や、支払い予定の「買掛金」や「未払金」も取引先から一時的にお金を借りている状態。他人から調達しているからこれを「他人資本」と呼ぶ。

 (3) 最後が向かって右(「貸方」)の下の方。左の資産を調達する為に自分で調達したお金が幾らかが書いてある。例えば、株主から募った「資本金」や自社が生んだ過去からの儲け(「利益剰余金」)。これは自力で調達したから「自己資本」と呼ぶ。

 さて、自分が乗っている船(会社)のB/Sを読んでみよう。「どんな資産が、幾ら」あって、その資産を調達する為にどこから「お金を調達しているのか」を確認して欲しい。(2)と(3)でお金を調達して、(1)の形に変えて「事業」を行い、結果として(3)の「お金が増えたか?」、その流れが、社長(船長)のイメージとズレがないかを確認して欲しい。

 船が沈む(会社が倒産する)時には、上記の流れに異常が生じる。だから本物の経営者はB/Sから目を離さない。早速、航海士である会計事務所と自社のB/Sについて話を始めよう! 「P/Lのプランニングではなく、B/Sのプランニング」に着手しよう。