会社を良くする「経営の教科書」
経営の教科書
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第 4回 決算書を航海の羅針盤にする方法!?


 会社は原則年に一度必ず「決算」をむかえる。会計事務所の担当者がやってきて、決算書を見せながら「売上が上がった、下がった」「利益は幾らで、税金は幾らになる」という数字を見れば誰でもわかるような、通り一遍の説明をし、最後に社長はとても分かりにくい「申告書」という数枚の書類にサインと押印をする。この年に一回の決算を単なる形式的な儀式にしてはいけない。

 船長が航海士と一緒に航路や針路、今後のプランを常に確認するように、本来決算は「我社のどこがどう問題で」「何処に注意しなくてはいけなくて」「もっと良くするには何を、どの程度改めればいいのか」を数字の専門家と確認する為のもの。会社にとっては重要な健康診断である。

 しかし、決算を経営の役に立てる為には少しだけ工夫が必要になる。例えば「前期の決算書が何点なのか」を明確にする事。何故なら、点数が明確になるということは同時に問題が明確になっていることを意味するからだ。点数そのものには大した意味はない。80点だろうが、60点だろうが、それはある意味どうでもよい。大切なのは足りないところは何で、何処を改善すれば前期よりも良くなるのか?それさえ分かれば日々の仕事を問題解決にする事が出来る。

 先ず、決算書に点数を付けよう。

 社長が自分で点数を付けるのは難しい。先ずは会計事務所に依頼してみよう。納得のいく点数の説明をしてくれないなら、それをしてくれる会計事務所を探そう! 「決算書なんか経営の役に立たない」と決めつける前に、役に立つ決算書にする為の行動をとろう。安全な航海の為には、優秀な航海士が必要なのだから、会計事務所を選ぶ事は経営者の大切な仕事だと知ろう!