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内部監査部門と監査役の連携策
(17/2/6)

 「三様監査」の一翼を担う内部監査部門は、監査役や会計監査人と異なり、位置付けに法的裏付けがないのが特徴と言える。そのため、法制度及び監査実務上も様々な連携が行われている監査役と会計監査人間と異なり、内部監査部門と監査役または内部監査部門と会計監査人との連携は何ら法定されておらず、監査実務上も不十分であるのが実態だ。

 その問題意識のもと、日本監査役協会の監査法規委員会が取りまとめたのが、レポート「監査役等と内部監査部門との連携について」である。

 これには「内部監査部門との連携に関するアンケート集計結果」をもとに内部監査部門の実態調査と、それに対する法的検証が記載されており、監査役が内部監査部門と連携する場合の留意点として参考になるものとなっている。また、内部監査部門の職員の年代構成や専任・兼任比率(兼任の場合の兼務部署)、関連資格(公認内部監査人(CIA)、内部監査士、情報システム監査専門内部監査士・公認情報システム監査人(CISA)、公認不正検査士(CFE))の取得者数等のアンケート結果も示されており、内部監査部門を担う人材の層が明らかになっている点も興味深い。

 上述した通り、監査役と内部監査部門の連携は、何ら法定されたものではないものの、その重要性に鑑み、コーポレートガバナンス・コードでは補充原則4−13Bでは「上場会社は、内部監査部門と取締役・監査役との連携を確保すべきである」と規定されている。本レポートを具体的な連携方法を模索するための参考資料として活用したいところだ。


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