財務報告関連実務ニュース


コンフォートレターの実務指針改正案が公表
(16/04/12)

 日本公認会計士協会は3月23日、監査・保証実務委員会報告第68号「監査人から引受事務幹事会社への書簡について」と「監査人から引受事務幹事会社への書簡」要綱の改正案を公表した。主幹事証券会社が募集又は売出しによる株式、社債等の引受審査を行うに際して、財務諸表を監査した公認会計士又は監査法人(以下、監査人)からコンフォート・レターを受領する実務があるが、本報告68号及び要項は監査人がコンフォート・レターを作成する際の実務上の指針に位置付けられている。

 今回の改正案は、平成22年3月の「監査基準の改訂に関する意見書」において、開示される当期の財務数値に対応する前期の財務数値を比較情報とする改正がなされ、その後、平成26年8月に公表された「企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令」等によって、会社が初めて提出する有価証券届出書又は有価証券報告書に含まれる指定国際会計基準に準拠して作成した連結財務諸表等に係る監査報告書の取扱いが新設されたことに伴う改正がメインである。その他、改正案では
・本実務指針の対象となる証券等の整理
・財務諸表等以外の財務情報、事後の変動の調査に関する整理
・書簡の文例、経営者確認書の文例の整理
も行われている。

 このうち「事後の変動の調査に関する整理」について改正案では、月次連結決算未導入の会社が多いことから、連結財務諸表に基づいた事後変動の調査に際しては、事後変動の認識期間の長さ、連結内部取引・未実現利益の消去等の状況を慎重に判断した上で、発行会社の個別財務諸表に基づいた事後の変動の調査を実施できるとしている。なお、個別財務諸表の数値を採用する場合には、調査した個別財務諸表の数値は連結財務諸表の数値と大きく異なる可能性がある旨を書簡に記載する必要がある。

 日本公認会計士協会では4月25日までパブリックコメントを募集している。



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