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退職給付引当金の期首残高調整で引当金明細表はどうなる?
(15/05/18)

 退職給付会計基準の改正に伴い、原則適用の3月決算会社では退職給付引当金の2015年3月期の期首残高を調整する必要がある。

 これは退職給付会計基準の改正が「会計基準の適用に伴って生じる会計方針の変更」にあたることから、期首までの累積分を期首の利益剰余金と退職給付引当金の期首残高で調整するというもの。

 ここで気になるのが、附属明細書の「引当金の明細」での期首残高の書きぶりだ。このような場合に備えた会社計算規則上の規定はなく、日本公認会計士協会のひな型及び日本経団連のひな型のどちらにも明記されていないことから問題になる。

 この点、次の2つの記載方法が考えられるが、ルールがない以上、どちらでも構わない。

株主資本等変動計算書と同様、調整前、調整内容、調整後の金額を分けて記載する方法
期首残高としては調整後の金額のみを記載し、調整内容を注記する方法

 ちなみに、退職給付引当金に関しては、個別注記表に退職給付に関する注記を記載しているときは、附属明細書の引当金明細表にその旨を記載し、記載を省略することができる点にも留意したい。



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