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CG報告書で「女性の活躍」を記載する上場会社が増加
(15/04/17)

 内閣府の男女共同参画局は3月に「コーポレート・ガバナンスに関する報告書における「女性の活躍」の記載状況2014」を公表した。これは各証券取引所が平成25年4月に「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」(以下、CG報告書)の記載要領を改訂し、女性の活躍に関する記載を充実させたことを受け、内閣府が実施した開示状況の調査結果をとりまとめたもの。

 それによると、CG報告書にて「女性の活躍」に関する記載を行った上場企業数は平成25年の556社(17.4%)から708社(20.1%)に増加したことがわかった。708社のうち、女性役員の有無を記載した上場企業は7割を超える。一方、女性管理職登用の目標値を記載した企業は一割に満たない(5.6%)。実績値だけでなく、目標値まで記載できているかどうかが、「女性の活躍」への取り組みに先進的かどうかの分かれ目と言えそうだ。

 企業の取り組みが先進的かどうかの判断要素には、組織の設置の有無も挙げられる。組織を設置し、人を配置しているかどうかは、その企業の本気度を測るリトマス紙といえるからだ。この点、「ダイバーシティ推進のための専任組織を設置している企業」が76社もあることは興味深い。

 また、「女性の活躍」を記載している上場会社の比率は外国人持株比率が10%未満だと14.3%であるのに対し、外国人持ち株比率が30%を超えると38.8%に上昇することもわかった。投資家層拡大のためには、「女性の活躍」への取り組みが不可欠である。

 平成27年のCG報告書はコーポレートガバナンス・コードについての対応も求められる(「ガバナンスコード対応のCG報告書記載要領案が明らかに」を参照)。「女性の活躍」の記載が不十分な企業では早目の準備が必要と言えそうだ。



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