財務報告関連実務ニュース


先端設備リース、契約内容変更した場合の
会計処理案が明らかに
(14/11/17)

 企業会計基準委員会(ASBJ)が現在検討を行っている実務対応報告第31号「リース手法を活用した先端設備等投資支援スキームにおける借手の会計処理等に関する実務上の取扱い」の改正案の概要がこのほど明らかとなった。契約内容が変更された場合のリース取引の再判定については、当初のリース取引開始日に遡って再判定を行うことになる。また、オペレーティング・リース取引からファイナンス・リース取引に変更した場合は、契約変更日より通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行うことになる。なお、適用は公表日以後とされる予定だ。

 企業会計基準委員会は6月30日に実務対応報告第31号「リース手法を活用した先端設備等投資支援スキームにおける借手の会計処理等に関する実務上の取扱い」を公表している。ただ、「契約内容が変更された場合のリース取引の再判定の会計処理」については、同実務対応報告では盛り込まれておらず、改めて検討した上で公開草案を公表するとしていたものである。

 このほど明らかとなったファイナンス・リース取引かどうかの再判定については、契約変更時に契約変更後の条件に基づいて当初のリース開始日に遡って再判定する方向となっている。

 なお、再判定に当たっては、借手が現在価値基準を適用する場合において、契約変更時の条件に基づいて当初のリース取引開始日における借手の追加借入に適用されていたであろうと合理的に見積もられる利率を用いて現在価値の算定を行うものとしている。今回のリース・スキーム上、契約変更後においては契約当初の時点と異なり、貸手が契約変更時における貸手の計算利率等の情報を借手へ通知することは想定されていないからである。

 再判定の結果、契約内容が変更され、オペレーティング・リース取引からファイナンス・リース取引となるリース取引については、契約変更日より通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行うものとし、契約変更日にリース物件とこれに係る債務について、リース資産及びリース負債として計上し、原則として、両者の差額を損益として処理することとしている。

 ただし、実務対応報告第31号が本リース・スキームに限定した取扱いを示すものであることを踏まえ、実務上の負担を考慮した簡便的な方法も認める方針。具体的には、リース資産の価額をリース債務の価額と同額とし、差額を発生させないこととするものである。



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